日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ジャニーズ事務所は「草事件」の企業責任を明確に示せ!

2009-04-24 | ニュース雑感
国民的人気グループ、SMAPのメンバー草剛が公然猥褻罪で逮捕され大変な騒ぎになっています。

ジャニーズがらみの不祥事としては、罪の重さはともかくインパクト的には過去最大のものではないでしょうか。問題は例によってジャニーズ事務所の対応です。ジャニーズ事務所はこれまでタレントの不祥事発生の際には、処分をペーパーで発表してあとは知らん顔というケースがほとんどです。ひどいケースでは当人をクビにして“我関せず”ですから。今回の一件はダンマリで済むとは思えませんが、どうでしょうか?

なぜなら国民的人気タレントSMAPのメンバーで総務省地デジ“特使”タレントともなれば、ジャニーズ事務所の超“主力商品”な訳で、その“主力商品”に不良発生トラブルという事態なのですから、“商品製造元企業”として明確な説明責任が求められると思います。事件発生の経緯、事務所としての管理責任、再発防止策等に関して、しかるべき立場の人間からキッチリとした形で説明をする責任があると思う訳です。

これまで同事務所は、視聴率・出版部数争いにおいて圧倒的な力を持つタレント群を誇っているが故の立場的強さを背景として、不祥事発生時にもマスコミに対してサラリとかわす強気一辺倒を通してきた訳ですが、このジャニーズ流の対マスコミの高圧的やり方は、どんなものかと常々感じています。今回は、毎日電波を通して大量に各家庭向けに流されているジャニーズ社製の主力商品に欠陥が発生したのです。例えて言うなら、自宅で蛇口をひねるだけで出てくる水に不純物が混じっていたのと同じで、有害であるか否かに関係なくサラリとやり過ごすは許されないと思うのです。

本日の釈放後に本人と弁護士(なぜか事務所の同席なし)の会見はあったものの、今回も事務所の対応はと言えば、昨日およそくたびれ気味の実権もなさそうな「広報担当」というオヤジが通り一辺の“お詫びコメント”を読み上げただけ。考えてみてください。彼らが強気に相手をするマスメディアの先には、ファンや視聴者がいるのですから、この対応は日本中のSMAPファン、ジャニーズ・ファン、いやテレビを日常的に見ている全国民を実にバカにした行為ではないかと思うのです。今回の事件の犯罪性の大小の問題ではなく、国民に大きな影響力を持つ自社の“主力商品”に関する企業責任の観点から、しかるべき人がしかるべき対応をするべきではないのでしょうか。

事務所トップのジャニー喜多川氏は、国民的アイドルを多数抱える大手芸能事務所経営者として、自社の企業としての社会的影響力をもっと自覚するべきと思います。また各マスメディアには、ジャニーズ事務所の“報復行動”に臆することなく、国民の代弁者として過去の同社の無責任対応も含め、徹底的な責任追及報道を望みます。

余談ですが、今回警察が全裸行動程度の“軽犯罪”容疑者を、即日身元保証人に引き渡して釈放としなかった対応には、どこか意図的なものを感じています。すなわち、これまでの同事務所がらみの不祥事における、“我関せず対応”(あるいは一部噂のある“揉み消し工作”?)に腹を据えかねていた警察権力が、事務所に対し対応是正を求める意図をもっての行為と思えなくもないのです。だとしたら、気の毒なのは2日間サラシ者扱いだった草クンですね。自業自得には違いないのですが…。