日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

売れ筋ブックレビュー~「自分を変える魔法の口ぐせ/佐藤富雄」

2009-04-30 | ブックレビュー
★「自分を変える魔法の口ぐせ/佐藤富雄(かんき出版952円)」

著者は“生き方健康学者”を名乗る医師で、健康とは体の状態だけではなく考え方であることを心と体の制御関係から説き、大脳・自律神経系と人間の行動・言葉の関連性に着目した独自の「口ぐせ理論」を展開(「口ぐせ理論実践塾」も主宰)。分かりやすい説明と容易な実践方法が多くの人に受け入れられ、講演等でひっぱりだこだそうです。この本も、発売以来ジワジワと売れ続け、各書店でけっこう上位に入っています。

「口ぐせ」を変えると「脳」が変わって「自分」が変わるという、ということを医学的裏づけを用いつつ説いていくという、実に納得性の高い内面開発本です。内容的には難しいことは何もなくて、著者の言いたいことはとにかく「否定的な言葉を使わず、肯定的な言葉を口ぐせにすることで自分を『快』にすれば、明るい未来をつくれる」ということにつきます。読んでいるうちに明るく楽しくなり、元気づけられること請け合いです。同じ医師で物書きの故斎藤茂太さんの著作とも共通する、ホスピタリティ的ニュアンスで読み手をエンカレッジする、なんとも優しく語りかけつつ勇気づけられる本なのです。

特に印象的なくだりは、「どんなときでも第一声は『これでよかった』と言えば、脳が「これでよかった理由」や「うまくいく方法」を探してくれ逆境のストレス吹き払ってくれる」という話や、「実現させたい夢は現在形で語れば(「いつか」「うまくいったらそのうち」ではなく「私はこうします」「わたしはこうなります」と語れば)それは実現する」という話。多くの成功者が似かよったお話を経験則として語っているのをよく耳にしますが、医師が語ることで全く違った説得力が加わる感じがします。

佐藤医師の理論の根底にあるのは、「人間は生物の進化の過程で勝ち残った生き物であり、その意味では誰もが“勝ち組遺伝子”を持っている。口ぐせで頭を『快』にしていかにそれを目覚めさせることができれば、その人の可能性はどんどん広がる」という考え方。なるほど、口ぐせひとつでこんな自分でも成功へ導けるのかもしれないと、生物学的説得力をもって元気づけられる思いになれるものです。

元気もらい度100%。内容的な押しつけがましさや説教がましさはまったくありませんので、行き詰まりやストレスを感じている皆さんに絶対のおススメです。これから何か新しいことをしようと考えているあなた、何かとマイナス・パワーが充満しやすいあなた、これを読んで明日からプラス思考で自分がめざす「成功」を手にしましょう!

再編集版なので書籍的には10点満点で8点?おススメ度は文句なし10点です。かる~く読めますので、先行きに行き詰まり気味の方の気分転換に最適です。