日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<音楽夜話>ジャジーな今様AORライブ ~ クリストファー・クロス

2009-04-04 | 洋楽
70年代末期に彗星の如く現れて、80年代前半を疾風のように駆け抜けたアーティスト、クリストファー・クロス。今彼はジャジーな味わいのアレンジで、新たなAORを聞かせてます。ビルボード・ライブに足を運んで彼の“今”を聞いてきました。

写真が昨年出された彼の最新作「The Cafe Carlyle Sessions」。国内未発売ですが、アマゾンその他で容易に手に入ります。最近、JDサウザーやスティーブン・ビショップなど、ジャジーでボサノバティックな方向の“大人の味わい”で新境地を開いたベテラン・アーティストを良く耳にするのですが、彼のこの作品もまさにその路線です。

全編彼の代表曲をアコースティック楽器とサキソフォンをはじめとした管楽器のアレンジで、実にムーディに聞かせてくれます。例えて言うなら、アール・クルーの「フィンガー・ペインティング」風アレンジでクリストファー・クロスが代表曲を歌う、とでも言えばお分かりいただけますでしょうか(普通の人は分からんですよね)?

さてさて、ビルボードでのステージはまさにこのアルバムの再現。メンバーもほぼ同じ。ジャズ系のミュージシャン達らしく実に腕は達者です。クリストファー氏のアコギもなかなかのもの。ギターは彼の一本だけですから、CDよりもいくらか全体のアレンジが厚めになるのはやむを得ないところですが、それでもギターの存在感十分のしっかりとした演奏でした(4月の“練習不足”のJDサウザーとは明らかなギターの腕の差!)。アルバムにないアレンジとして、ピアノとサックスの絡みが良かったですね。

軽快な「ネバー・ビー・ザ・セイム」で幕を明けたライブは、ところどころにヒット曲を織り交ぜながら、ゆったりとしたテンポで展開します。代表曲の「セイリング」を中間部にアクセント的に登場させて、最後は「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」「風立ちぬ」の大ヒットの連打で大盛り上がりの締め。アンコールは「オール・ライト」で明るくノリノリのフィナーレ。彼のフリークではない私も「この人こんなにヒット曲多かったっけ」と思わせる、万人受けの理屈抜きで楽しめる“今様AOR”ライブでした。

余談ですが、クリストファー・クロスってしゃべりは低音なんですね。つまりあのハイトーン・ボイスは、作られた「裏声」ってこと(?)ですよね。要するにビージーズのディスコ路線と同じって訳。そう考えるとなるほど、彼が登場したのってまさにディスコブームの最盛期を経た79年ですから。おとなしい顔して実は結構“戦略家”なんですね。

本日(4日)明日(5日)と引き続き、「ビルボード・ライブ東京」で公演があります。往年のAORファンの方々、おすすめですよ。
→http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=6849&shop=1