-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

やっぱり違うなあ(畑沢のサンショウウオその1)

2020-12-25 17:39:49 | 自然

 先ず私が初めてサンショウウオ(山椒魚)に出会った時のことをお話しします。尾花沢市立常盤小学校第5学年1組の教室です。ある朝、教室内が賑やかでした。何やら得体のしれない生き物がガラスの丸い水槽に入っています。六沢のトンネルからイモリのようなものを捕まえてきたのだそうです。担任の先生はそれをサンショウウオと教えてくれました。その時、クラスメートが「これは〇∇×だ」と言っていたのですが、記憶が曖昧です。それは「その3」でお話しします。六沢の方には珍しい生き物がいるものだと感心した覚えがあります。しばらくの間、飼育してじっくりと眺めたので、その姿は脳裏に焼き付き「黒っぽいイモリのような生き物」というサンショウウオのイメージが作られました。畑沢ではまだ見たことがありませんでした。

さて、令和2年12月9日に畑沢のA沢で水路の落ち葉や砂利を片付けていました。大量の落ち葉と枯れ枝が水の流れを堰き止め、春の雪解け水が溢れて田んぼを破壊する心配があるからです。今年も降雪が遅かったので、この日はまだ「畑沢の冬景色」ではなく「晩秋」の雰囲気でした。水辺に近づくのも苦になりません。

下の写真はその時に見つけたサンショウウオです。写真中央です。よく見ると、目もあり、四肢もあります。

 一般にサンショウウオは山中の落ち葉の下で越冬するものと思っていたので、半ば水中と言える状態にいることが不思議でした。このサンショウウオは体長(吻端から尾端までの長さ)5、6cmしかありませんので、当然、成体(人間でいえば大人)ではありません。しかし、既に外鰓(体の外部にはみ出している鰓)はなくなっています。陸上で越冬していても不思議ではないのです。そもそも、私は魚には関心を持って生きてきましたが、両棲類にはほぼ無関心でした。考えても分かるはずがありません。しかも、私が以前から持っているサンショウウオのイメージとかなり違います。

 実はA沢で2014年の5月にもサンショウウオを撮っていました。

 やはりこの時も私が持っていたサンショウウオのイメージと異なっていました。私のサンショウウオのイメージでは「黒っぽいイモリのような生き物」でしたが、ここのサンショウウオは黄土色で斑です。ところが私のいい加減な頭は、「サンショウウオも魚やアマガエルのように光の強弱によって色を変えるのだろう。今日は色を変えたくなったのだろう」と変な方向に働いていました。確かに魚やアマガエルなどは色素細胞を持っていて、色を変えることが出来ます。それを勝手にサンショウウオにも当て嵌(は)めてしまいました。サンショウウオが色を変えることが出来るとは聞いたことがありません。

 しかし、前回同様に今回も色が同じなので、どうも変色と言う解釈がおかしいことに気づきました。いつものインターネットのwikipediaの御厄介になったところ、これがハコネサンショウウオ(箱根山椒魚)とかなり似ていることが分かりました。ただし、ハコネサンショウウオには同属の種が多数おり、バンダイハコネサンショウウオ(磐梯箱根山椒魚)、タダミハコネサンシウウオ(只見箱根山椒魚)、キタオウシュウハコネサンショウウオ(北奥州箱根山椒魚)等々です。一つの種に地名が二つも並んでいます。とても私は特定する気になりません。従いまして畑沢のサンショウウオは「ハコネサンショウウオの仲間」としておきます。この仲間は冷水域の高所に生息しているので、それぞれの地で隔離されて進化した可能性が高いようです。タダミハコネサンシウウオは最近になって新種として発見されました、今後も新種が発見される可能性が高いとのことです。それは畑沢の場合でも起こりうることです。ハコネサンショウウオの仲間は、全般的に冷たい流水域に棲息していて、成体になる前は水中で越冬するとのことです。また、この仲間は、両棲類なのに肺が成長の途中でなくなってしまうとのことでした。冷たい流水には酸素が豊富に溶け込んでいますし、流水は絶えず新鮮な酸素入りの水を供給してくれます。おまけに運動量が少ないので、肺はなくても皮膚で十分に呼吸できるのでしょう。私も肺が不要かなと思ったりします。


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