今回の記事に温泉は登場しません。あしからず。
東京の街並みからほとんど消えてしまった一方で、大阪にまだ残っている乗り物といえば、公共交通機関としての渡船ではないでしょうか。
かつては東京にも隅田川の「佃の渡し」など複数の渡船がありましたが、現在では江戸川の「矢切の渡し」のみ。これに対して大阪市では数こそ減らしているものの、まだ8ヶ所で市営の渡船事業が続けられており、誰でも無料で利用することができます。澪標(みおつくし)を市章にしている「水の都」大阪には、船が浮かぶ水辺の光景が良く似合います。
船が大好きな私は以前から大阪市営の渡船を利用してみたかったのですが、どの渡船場も鉄道の駅から離れており、また路線バスですと行動時間が制約されてしまうため、長い間二の足を踏んでいました。しかしながら近年はシェアサイクルが普及しており、とりわけ平坦な地形が広がる大阪は自転車の有用性が高いため、2023年2月にそのシェアサイクルを利用した渡船巡りを実践したのでした。
上の地図は、大阪市湾岸部の地図に市営渡船場の場所をプロットしたものです。
8ヶ所あるうち、今回は赤い印でプロットした天保山・甚兵衛・千歳・千本松の4ヶ所を巡りました。なお天保山渡船のみ自転車ではなく徒歩で利用し、他3ヶ所をシェアサイクルで巡りました。今回巡れなかった落合上・落合下・船町・木津川はまた今度機会を見つけて訪ねることにしましょう。
徒歩で利用した天保山はひとまず脇に置いておくとして、甚兵衛・千歳・千本松の3ヶ所は以下のコースで巡りました。
弁天町駅付近でシェアサイクルを借りる
↓ (自転車移動)
甚兵衛渡船
↓ (自転車移動)
千歳渡船
↓ (自転車移動)
千本松渡船
↓ (自転車移動)
天下茶屋駅付近でシェアサイクルを返却
この翌日の朝には、JR桜島駅→(徒歩移動)→天保山渡船→(徒歩移動)→地下鉄大阪港駅、というルートで天保山渡船にも乗船していますので、併せて今回書き綴ってみます。
●甚兵衛渡船・千歳渡船
朝7:55頃、JR環状線の弁天橋駅で電車を下車。
駅付近にあるシェアサイクルのポートで自転車をピックアップ。
なお今回利用したサービスは「HUBchari」です。利用に際しては事前にアプリをダウンロードして、必要事項を登録した上で、利用したいポートへ向かっております。
グーグルマップによれば、弁天町駅から甚兵衛渡船の船着き場まで自転車で10分強とのこと。
朝8:10頃に出発しました。
なるほど、たしかに駅から10分強の8:20過ぎに甚兵衛渡船の船着き場へ着きました。尻無川の北岸(右岸)にあるこの乗り場は「甚兵衛渡船福崎乗り場」と言うんだとか。
渡船には自転車ごと乗船できるため、船が着岸する岸壁へはスロープが設けられています。というか、渡船を使うお客さんの多くは、自転車に跨って船着き場までやってくるようでした。
岸壁の手前にはこのような簡易的な待合所があり、時計や時刻表、各種案内が掲示されています。
渡船場により運航時刻が異なり、市の公式サイトには各渡船の時刻表が掲載されていますので、もし渡船巡りをする際には事前に確認しておくことをおすすめします。なおこの甚兵衛渡船は、朝夕の通勤通学時間帯には10分毎に(あるいはもっと頻繁に)運行され、平日データイムや土日祝は15分毎です。
各渡船の時刻表とも片方の乗り場の時刻しか表記されていませんが、船は両岸にある船着き場のどちらか一方に停泊しており、その常時停泊している船着き場の出航時刻が時刻表に記載されているわけです。その出航時刻の1~2分後には対岸に着き、対岸の乗客を乗せたらすぐに出発して、常時停泊する船着き場へ戻ってきますので、もし時刻表に記載されていない船着き場から乗船したければ、時刻表に記載されている時刻に2~3分足した時刻が出航時刻だと考えて良いかと思います。
私が乗ろうとした船は、対岸の「泉尾乗り場」を8:30ちょうどに出航。わずか1分半でこちら側に到着しました。船にはたくさんのお客さんが乗っており、みなさんが下船し終わったところで、我々が乗船します。
これが対岸の「泉尾乗り場」。目と鼻の先と言っても過言ではない程度の短い距離です。
8:32に「福崎乗り場」を出航。渡船に乗って短い船旅を楽しみましょう。
こちらは下流側の景色。
こちらは上流側。
船旅を楽しむ間もなく、約1分後の8:34、あっという間に「泉尾乗り場」です。
次に目指すは「千歳渡船」の「北恩加島乗り場」。
グーグルマップによれば「泉尾乗り場」から「北恩加島乗り場」まで自転車で5分とのこと。土日日中の千歳渡船は20分毎なので、1便逃すと何も無いところで20分待たねばなりません。できれば5分後の8:40発に乗船したい。果たして間に合うのか・・・。
猛スピードで自転車を漕ぎまくったら、ギリギリ間に合った!
スタッフの方が笑顔で私の乗船を待って下さいました。ありがとうございます。
「北恩加島乗り場」8:40発の便に乗って対岸の「鶴町乗り場」へ向かいます。頭上には「千歳橋」がかかり、その下を大きな運河が水を湛えています。
どの渡船も基本的な船の構造は似通っており、自転車と一緒に乗船することを前提としているためか、船内の腰掛けは最小限に抑えられ、駐輪できるよう広くスペースがとられています。また屋根こそあるものの窓などは無い吹きっ晒しです。それゆえ乗船中は潮風を感じられて気持ち良いですよ。
先程の「甚兵衛渡船」はわずか1分で対岸へ着いてしまいましたが、さすがにこの運河の対岸までは距離があり、「鶴町乗り場」まで約3分ほど要しました。お蔭で船旅風情をしっかり味わえましたよ。
「鶴町乗り場」に上陸。
上画像の左側に写っているのが、いま乗ってきた「千歳渡船」の船。
客を降ろした船はすぐに戻っていきました。
水面に浮かぶ船の後ろ姿を見送っていたら時間をロスしてしまい、気づけば予定より若干オーバーの8:47になっちゃった。
次に目指すは「千本松渡船」の「南恩加島乗り場」。グーグルマップによれば自転車で約12分。8:47の12分後は8:59。
頑張って自転車を飛ばせば9:00発の便に乗れるかな。
後半へ続く。
東京の街並みからほとんど消えてしまった一方で、大阪にまだ残っている乗り物といえば、公共交通機関としての渡船ではないでしょうか。
かつては東京にも隅田川の「佃の渡し」など複数の渡船がありましたが、現在では江戸川の「矢切の渡し」のみ。これに対して大阪市では数こそ減らしているものの、まだ8ヶ所で市営の渡船事業が続けられており、誰でも無料で利用することができます。澪標(みおつくし)を市章にしている「水の都」大阪には、船が浮かぶ水辺の光景が良く似合います。
船が大好きな私は以前から大阪市営の渡船を利用してみたかったのですが、どの渡船場も鉄道の駅から離れており、また路線バスですと行動時間が制約されてしまうため、長い間二の足を踏んでいました。しかしながら近年はシェアサイクルが普及しており、とりわけ平坦な地形が広がる大阪は自転車の有用性が高いため、2023年2月にそのシェアサイクルを利用した渡船巡りを実践したのでした。
上の地図は、大阪市湾岸部の地図に市営渡船場の場所をプロットしたものです。
8ヶ所あるうち、今回は赤い印でプロットした天保山・甚兵衛・千歳・千本松の4ヶ所を巡りました。なお天保山渡船のみ自転車ではなく徒歩で利用し、他3ヶ所をシェアサイクルで巡りました。今回巡れなかった落合上・落合下・船町・木津川はまた今度機会を見つけて訪ねることにしましょう。
徒歩で利用した天保山はひとまず脇に置いておくとして、甚兵衛・千歳・千本松の3ヶ所は以下のコースで巡りました。
弁天町駅付近でシェアサイクルを借りる
↓ (自転車移動)
甚兵衛渡船
↓ (自転車移動)
千歳渡船
↓ (自転車移動)
千本松渡船
↓ (自転車移動)
天下茶屋駅付近でシェアサイクルを返却
この翌日の朝には、JR桜島駅→(徒歩移動)→天保山渡船→(徒歩移動)→地下鉄大阪港駅、というルートで天保山渡船にも乗船していますので、併せて今回書き綴ってみます。
●甚兵衛渡船・千歳渡船
朝7:55頃、JR環状線の弁天橋駅で電車を下車。
駅付近にあるシェアサイクルのポートで自転車をピックアップ。
なお今回利用したサービスは「HUBchari」です。利用に際しては事前にアプリをダウンロードして、必要事項を登録した上で、利用したいポートへ向かっております。
グーグルマップによれば、弁天町駅から甚兵衛渡船の船着き場まで自転車で10分強とのこと。
朝8:10頃に出発しました。
なるほど、たしかに駅から10分強の8:20過ぎに甚兵衛渡船の船着き場へ着きました。尻無川の北岸(右岸)にあるこの乗り場は「甚兵衛渡船福崎乗り場」と言うんだとか。
渡船には自転車ごと乗船できるため、船が着岸する岸壁へはスロープが設けられています。というか、渡船を使うお客さんの多くは、自転車に跨って船着き場までやってくるようでした。
岸壁の手前にはこのような簡易的な待合所があり、時計や時刻表、各種案内が掲示されています。
渡船場により運航時刻が異なり、市の公式サイトには各渡船の時刻表が掲載されていますので、もし渡船巡りをする際には事前に確認しておくことをおすすめします。なおこの甚兵衛渡船は、朝夕の通勤通学時間帯には10分毎に(あるいはもっと頻繁に)運行され、平日データイムや土日祝は15分毎です。
各渡船の時刻表とも片方の乗り場の時刻しか表記されていませんが、船は両岸にある船着き場のどちらか一方に停泊しており、その常時停泊している船着き場の出航時刻が時刻表に記載されているわけです。その出航時刻の1~2分後には対岸に着き、対岸の乗客を乗せたらすぐに出発して、常時停泊する船着き場へ戻ってきますので、もし時刻表に記載されていない船着き場から乗船したければ、時刻表に記載されている時刻に2~3分足した時刻が出航時刻だと考えて良いかと思います。
私が乗ろうとした船は、対岸の「泉尾乗り場」を8:30ちょうどに出航。わずか1分半でこちら側に到着しました。船にはたくさんのお客さんが乗っており、みなさんが下船し終わったところで、我々が乗船します。
これが対岸の「泉尾乗り場」。目と鼻の先と言っても過言ではない程度の短い距離です。
8:32に「福崎乗り場」を出航。渡船に乗って短い船旅を楽しみましょう。
こちらは下流側の景色。
こちらは上流側。
船旅を楽しむ間もなく、約1分後の8:34、あっという間に「泉尾乗り場」です。
次に目指すは「千歳渡船」の「北恩加島乗り場」。
グーグルマップによれば「泉尾乗り場」から「北恩加島乗り場」まで自転車で5分とのこと。土日日中の千歳渡船は20分毎なので、1便逃すと何も無いところで20分待たねばなりません。できれば5分後の8:40発に乗船したい。果たして間に合うのか・・・。
猛スピードで自転車を漕ぎまくったら、ギリギリ間に合った!
スタッフの方が笑顔で私の乗船を待って下さいました。ありがとうございます。
「北恩加島乗り場」8:40発の便に乗って対岸の「鶴町乗り場」へ向かいます。頭上には「千歳橋」がかかり、その下を大きな運河が水を湛えています。
どの渡船も基本的な船の構造は似通っており、自転車と一緒に乗船することを前提としているためか、船内の腰掛けは最小限に抑えられ、駐輪できるよう広くスペースがとられています。また屋根こそあるものの窓などは無い吹きっ晒しです。それゆえ乗船中は潮風を感じられて気持ち良いですよ。
先程の「甚兵衛渡船」はわずか1分で対岸へ着いてしまいましたが、さすがにこの運河の対岸までは距離があり、「鶴町乗り場」まで約3分ほど要しました。お蔭で船旅風情をしっかり味わえましたよ。
「鶴町乗り場」に上陸。
上画像の左側に写っているのが、いま乗ってきた「千歳渡船」の船。
客を降ろした船はすぐに戻っていきました。
水面に浮かぶ船の後ろ姿を見送っていたら時間をロスしてしまい、気づけば予定より若干オーバーの8:47になっちゃった。
次に目指すは「千本松渡船」の「南恩加島乗り場」。グーグルマップによれば自転車で約12分。8:47の12分後は8:59。
頑張って自転車を飛ばせば9:00発の便に乗れるかな。
後半へ続く。