温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

網代温泉 竹林庵みずの(日帰り入浴)

2024年01月08日 | 静岡県
(2023年1月訪問)
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。新年1回目の記事は伊豆の網代温泉「竹林庵みずの」で日帰り入浴した際の記録を書き綴ってまいります。


車で熱海方面から伊東方面へ海沿いを南下して、網代の市街地をちょっと過ぎた先を丁字路を山側へ右折し、道なりに進んで急な坂を上がっていきます。その坂の途中には「竹林庵みずの」で使われている温泉の源泉井があり、今からここで湧いたお湯に浸かるんだ、という意識を持ちながら更に急坂を上がってゆくと、やがて道はどん詰まりになり、その先が今回の目的地です。


お宿はいかにも伊豆らしい急傾斜地の上に立地しており、下から見上げた感じでは敷地が狭そうに思えるのですが、実際には奥に広く、駐車場もまずまずの市ペースが確保されています。


なんと駐車場の向こう側には厩舎や乗馬場があり、その近くには足湯も設けられていました。
山の斜面に広大な敷地が広がっているのですね。


さてお風呂に入らせていただきましょう。こちらのお宿では日帰り入浴も受け入れているのですが、基本的に予約をしてからの利用となりますので、私も事前に電話で予約し、利用時間を決めてから訪問しました。
玄関の引き戸は古民家風の設えで重々しい感じがしますが、実は自動ドアですので、近づくだけで勝手にすっと開いてくれます。
フロントで事前に日帰り入浴で予約してある旨を伝えて料金を支払いますと、スタッフの方がお風呂へ向かうための専用の外履きを履く勝手口のようなところまで案内してくださいました。そして、その場でお風呂の鍵を渡されました。なぜ鍵が必要かといえば、いわゆる大浴場ではなく、貸切風呂だからです。それゆえ事前予約制を採用しているのでしょう。


外履きで屋外の通路を歩き、宿泊棟の前を通過します。なお、この宿の客室は多くが温泉浴室を備えており、人気が高いため週末はかなり先まで予約で埋まっています。私も本当は宿泊で利用したかったのですが、なかなか自分のスケジュールと空き室状況がマッチしなかったため、日帰り入浴で訪問することにしたのでした。


宿泊棟を過ぎた先にある白い壁の建物が貸切風呂の個室群です。記憶が定かではないのですが、この棟にはおそらく4室はあったかと思います。こちらのお宿には貸切風呂が3種類、計6室あり、そのうち4室が今回取り上げる「眺め湯」、そして大きな浴槽と2面の眺望が特徴的な「竹林」と、屋根が無い露天の「天空」です。


今回私があてがわれた浴室は「眺め湯」のひとつである「三日月」です。鍵を開けて中に入ると・・・


明るくて広く綺麗な部屋であることにびっくり。しかも窓の向こうには相模灘が広がっているではありませんか。実に素晴らしい!


室内はエアコン完備です。入って左側には流し台などが身支度を整える設備が配置されており・・・


右側には衣類や荷物を収める棚と籠が設けられています。なお更衣ゾーンとお風呂の間には仕切りが無いので、余計に広々と感じられます。


窓はシャッターになっています。私が訪ねたのは1月でしたから入室時は防寒のために閉められていましたが、セルフで開閉することも可能ですので、私は開けたまま湯浴みさせていただきました。


総檜造りの浴槽は3人ほど入れそうな大きさを有し、2人でしたら余裕をもってゆったり入れます。貸切風呂でこのゆとりがあるサイズ感はありがたいですね。海を臨む展望テラスには2人用の籐の椅子があり、初島が浮かぶ相模灘を眺めながらのんびり過ごせます。もちろん湯船からの眺望も佳。高い位置にあるため見晴らしが素晴らしく、絶景を独り占めしながら湯浴みできるのです。


貸切風呂ですが予め湯船にはお湯が張られており、丁度良い塩梅に熱い源泉コックを開けてくれているので、自分で湯温調整することなく入浴できました。自分で調整することも可能ですが、下手にいじらない方が良いかもしれません。なお「冷泉」と書かれたコックから出るのは、単なる冷水ではなく、冷ました温泉のようであり、コックを開けると見るからに濃そうな色合いの冷泉が水栓から出てきました。


湯船のお湯はオリーブグリーンを薄くして且つ灰色みを帯びたような緑色、そして黄褐色をミックスさせたような複雑な色合いに弱く濁り、同色や褐色の微細な湯の花が湯中で無数に浮遊しています。無色透明なお湯が多い伊豆では珍しい濁り湯です。お湯を口に含んでみますと非常に塩辛く苦汁の味もあり、湯口でタイヤを思わせる黒ゴム的な匂いが漂ってくる一方、見た目に反して金気の味や臭いは少なく、他の匂いもあまり嗅ぎ取れません。味は濃いのに対して匂いは比較的弱いようです。むしろ湯船では檜の香りがしっかり感じられます。湯船に浸かると引っかかる浴感とトロミが共存しているように肌へ伝わります。
湯使いに関して、室内に掲示されている分析表では加温加水循環消毒ありと書かれているのですが、館内の別の案内では加水加温無しと書かれ、また浴槽の様子を見ても循環しているような構造ではないので、完全かけ流しと捉えて差し支えないかと思います(間違っていたらごめんなさい)。成分総計18.23gという非常に濃い食塩泉ですので入浴後はパワフルに火照りますが、浴感が素晴らしいため、火照るにもかかわらずなぜか後ろ髪を引かれて湯船から出たくなくなってしまいました。

景色も良いし風呂も最高。次回こそはタイミングを合わせて宿泊し、宿の魅力を存分に楽しんでみたいものです。


網代13号泉
カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉 66.4℃ pH7.8 成分総計18.23g/kg
Na+:3244.0mg, Ca++:3358.0mg, Fe++:3.0mg,
Cl-:10850.0mg, Br-:10.2mg, I-:0.4mg, SO4--:274.8mg,
H2SiO3:164.9mg, HBO2:23.8mg, CO2:37.4mg,
(平成29年1月13日)

静岡県熱海市網代627-363
0557-67-2643
ホームページ

日帰り入浴は要予約(電話受付は9:00~18:00)
入浴開始時刻は13:00もしくは18:00のいずれか。1回60分。
3000円(ハンドタオル付)
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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2 コメント

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Unknown (ぬる湯マスター)
2024-04-07 18:34:15
こんばんわ^^^。
またまた私の大好きな網代ですね。
もう少し先に、大東館なんかもありますよね。
次記事の熱海駅前温泉の湯温に恐れ戦く私としましては、
こちらの調節可能な温泉は嬉しいですね^^^b
私はこちらのように、水面が浴槽の際まで来てると最高に嬉しくなります。
何故なら、プカプカ浮いて寝られるからです。
温浴効果と浮遊感で、最高のリラックスタイムを満喫出来るのです!
と、私の趣味は置いておきましょうね、、、(笑)
Unknown (K-I)
2024-04-08 15:02:24
ぬる湯マスターさん、こんにちは。
網代は良いところですね。熱海のような喧騒が無く、伊東のように建物が密集しているわけでもなく、程よいバランスが何とも言えず心地よいですね。
こちらのお風呂は居心地も眺めも大変素晴らしく、料金が安く感じられたほどです。再訪必至です。

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