温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

水上(うのせ)温泉 ゆの宿 上越館

2019年04月20日 | 群馬県

旅館で日帰り入浴を楽しんだ後、「また来たいな」と思ったら当たり。「宿泊したいな」だったらなお良し。そして、大切な人を思い浮かべて「あの人に教えてあげたいな」だったら大当たり。私は勝手にそんな基準を設けながら、各地のお風呂を巡っています。今回取り上げる水上(うのせ)温泉の「ゆの宿 上越館」は私にとって「大当たり」でした。国道から路地に逸れた先にある、一見すると民家と見まがうような建物が、今回訪問したそのお宿です。


 
暖簾を潜り、玄関で日帰り入浴をお願いしますと、大変丁寧に対応してくださいました。とはいえ、私は予約無し&アポ無しで伺ってしまったため、まずは館内に上がってラウンジで待機し、お宿の方にお風呂の様子を確認していただきます。

お風呂は内湯と露天の2種類あり、日帰り入浴の場合は受付時(あるいは予約時)にどちらかを選択します。訪問時は偶然にも両方空いていましたが、雪見風呂を愉しみたかったので露天を利用させていただくことにしました。



露天風呂はお宿の本館からちょっと離れたところにあります。歩いて1分ちょっとでしょうか。お宿が運営するビストロ兼甘味処の「梅の蜜」が目印。その角を右に曲がって川へ向かうと・・・



路地の突き当たりに露天風呂の脱衣小屋がポツンと建っていました。扉は施錠されていますので、本館で手渡された鍵で開けます。


 
当然ながら小屋の中には誰もいませんが、暖房が効いてポカポカしていました。予めスタッフの方が準備してくださったのでしょうね。小洒落た室内には脱衣籠や傘のほか、シャワーキャップや化粧水・タオル等のアメニティが用意されていました。用意されている数から推測するに、基本的にこの露天は2人利用を前提にしているようです。



脱衣小屋の引き戸を開けた瞬間、思わず「うわーっ」と歓喜の声を上げてしまいました。目の前を流れる利根川とその対岸に広がる白銀の山稜によって、開放的且つ美麗な景色が展開されていたのです。お風呂には小屋の庇が伸びているので、ちょっとした小雨や雪ななら凌げそう。また左右には目隠しの簾が掛かっていますが、川側は完全にオープン。お風呂に浸かりながら関東平野の母のような存在である利根川のせせらぎを独り占めできちゃうんですね。



四角い浴槽はおおよそ1.8m~2m弱といった大きさ。2人入るとちょうど良いサイズですね。浴槽の縁には木材が、浴槽内は力責凝灰岩の石材が用いられており、見た目にやさしい色使いと、実際に触れて心地良い感触をもたらしています。また浴槽の周囲には碁石のような石が敷き詰められており、和の雰囲気が利根川の景観と実によく調和しています。
なお露天風呂に洗い場はありません。しっかり体を洗いたい方は内湯へどうぞ。



石積みから突き出ている筧より注がれるお湯は単純泉。無色透明で無味無臭ですが、湯船に入るととても優しく体を包んでくれ、湯船の中でお湯を掻いてみるとうっとりするほど柔らかいのです。キリリとした硫酸塩泉が多い北毛エリアで、このようなアッサリ系の単純泉は珍しいかと思いますが、単純という言葉を使いたくないほどジェントリーな浴感であり、また湯加減も絶妙。まさに微睡の湯です。
湯使いは完全掛け流しであり、夏季などは熱交換によって温度調整しているそうです。なお、訪問時の筧には竹筒が被さっており、その筒によって浴槽内でお湯が出るようになっていました。また湯船には保温マットが浮かべられていました。これらは冬季の露天風呂が冷めないようにするための措置かと思われます。



川の対岸には上越線の線路が敷かれています。私が入浴していると、偶然にも長岡方面に向かって上越線の普通列車(E129系)が走り去って行きました。



それにしても良い風呂だぁ。雪見風呂の雰囲気が素晴らしい。
でも私が下手に言葉を書き連ねると、却ってその魅力が伝わらないかもしれません。素晴らしいロケーションが生み出す景色のみならずお湯も最高。その上お風呂も綺麗。

貸切の露天風呂に入っただけでお宿の良し悪しを語るわけにはいきませんが、でもスタッフの方の接客や露天風呂の様子だけでも十分にお宿の良さが伝わってきました。一度宿泊してみたいなぁ。


湯檜曽温泉(薬師の湯)
単純温泉 53.3℃ pH8.2 湧出量測定せず(動力揚湯) 溶存物質0.42g/kg 成分総計0.43g/kg 
Na+:74.3mg(58.85mval%), Ca++:42.8mg(38.89mval%),
Cl-:106mg(54.41mval%), SO4--:96.5mg(36.63mval%),
H2SiO3:67.7mg,
(平成26年10月14日)
加温加水循環消毒なし
(5~10月頃は熱交換により温度を下げています)

群馬県利根郡みなかみ町大穴794
0278-72-2216
ホームページ

日帰り入浴 時間不明(利用の可否も含め、お宿へお問い合わせください)
内湯1300円、露天1500円(いずれも貸切)
ドライヤーあり

私の好み:★★★


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2 コメント

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続けざまのコメすみません (国民温泉)
2019-04-21 15:46:59
一泊2万円超えると一気に心理的物理的ブレーキがかかる情けない身の上ですが、ここは素晴らしい!是非宿泊してみたいなぁ。
近年水上地区は、食べログ見て飯食いに行くだけの場所になってますが・・・「みなかみ18湯、実質何湯?数年後には何湯?」という昨今の温泉事情、後回しの連鎖を断ち切ろうと貴ブログ最近の記事に触発されました。
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Unknown (K-I)
2019-04-22 22:52:15
>国民温泉さん
コメントありがとうございます。特に大きなわけでも豪華なわけでもないのですが、品が良くて落ち着けるんです。いままで水上で宿泊しようと思ったことはなかったのですが、ここは別。いつか泊まりたいですし、誰かにすすめられたらここを教えようかと思っているほどです。
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