前回記事「ジャワ島を鉄道で横断 その3("Mutiara Timur"号でバニュワンギへ)」の続編です。
バンドゥンから出発し、途中スラバヤで一泊しながら、鉄道でジャワ島を西から東へ横断してまいりました。鉄路はこのジャワ島東端の駅バニュワンギで途切れますが、私はここから更に海峡を越えてバリ島へと向かいます。

列車の終点バニュワンギ・バル駅はフェリーターミナルに近接しており、列車から降りた客の一部は、実際にこの駅からフェリーへと乗り換えていったようです。
後述しますが、フェリーで渡った対岸のバリ島・ギリマヌッ港のまわりには何もなく、そこからバスなどの交通手段に乗り替えて島内各地へ移動するのは、旅行者にとってはちょっと難しいかも。このため、ジャワ島とバリ島との間を、陸上交通とフェリーで移動する場合は、あらかじめバスとフェリーがパッケージになっているチケットを購入しておき、ジャワ島側の各都市でバスに乗車し、バスごとフェリーに乗りこんで、バリ島へ渡ったらそのままバスで各都市へ移動するというのが一般的となっているようです。駅前でも「クタ?」とか「ウブド?」などバリ島の主要都市名を挙げながら声を開けてくる客引きがたくさんいました。でも、私はこの日、ギリマヌッ港へホテルの送迎車をお願いしているため、こうした乗り継ぎサービスは不要。客引きたちを一切無視してフェリー埠頭へと歩き始めました。

閑散としている駅前ロータリーのゲートをくぐって表通りに出て、南に向かって歩いてゆくと・・・

徒歩数分でフェリーターミナルの大きなエントランスに辿り着きました。乗船する車両は料金所のようなゲートから入ってゆくのですが、私のような歩行者はその左手にある小さなゲートを入ります。

狭いアーケードのような通路の先にある窓口で乗船券を購入しようとすると、受付の無愛想なお姉さんが、あっちあっちと私の後ろの方を指差すではありませんか。

お姉さんが指差す方を振り返ってみると、小さなカウンターが括り付けられている小部屋があり、カウンターの上に置かれた発泡スチロールの小箱には、小さな用紙がたくさん詰め込まれていました。どうやら購入に際しては、この用紙に所定の事項を記入する必要があったんですね。名前やパスポート番号、宿泊先などを記入した上で、改めて窓口でチケットを購入します。すると、料金(Rp6,000)と引き換えにプラスチックカード状の乗船券が手渡されました。このカードを回転バーの改札機にタッチすると、更に先の構内へと進むことができました。

これが今から乗るフェリーです。岸壁には大型や中型など数種類のフェリーが停泊していたので、一応確認のため、待機場にいたスタッフのおじさんに「私が乗るのはこの(中型の)船で良いのか?」と確認すると、おじさんはそうだと頷き、そして私が持っていたカード券を回収しました。回転バーの改札機を通るためにカード状の乗船券にしたのでしょうけど、たかがそれだけのために、わざわざカード券にする必要性があるのか、よく理解できません。

さて乗船開始です。私が乗ったこの中型フェリーは、小型の乗用車やバイク、そして歩行者客を運ぶための船であり、バスやトラックなどの大型車は別の船を利用することとなります。

上画像は客室の様子。このフェリーは、東南アジアでよく見られる日本の中古船です。この日のバリ海峡とても静か。

日本の中古船ですから、船の随所にはその名残が見られます。たとえば、救命器具には"SUMITOMO"の文字が記されていたり、無線のアンテナにも日本のメーカー名があったり・・・

乗客が乗船してから出航するまで20分ほどの時間があったのですが、その間、おそらく近所に住んでいると思しき悪ガキ共が、叫びながら客席から海に飛び込み、その雄姿を乗客に見せてチップをせしめようとしていました。実際に誰かが海へコインを落とすと、子供たちはうまい具合に泳いでそのコインを懐へ収め、また船に上がってダイブすることを繰り返していました。子供達は遊びを兼ねて小遣いを稼いでいるつもりなのでしょうけど、海で泳ぐ子供達にコインを投げるのは、池の鯉に餌を与えるのと同じような感じがし、その行為に人道的ではないものを覚えたので、私はその光景を一瞥するだけに留めておきました。

フェリーは16:30頃に出航しました。出航とともに、客室の前ではスタッフがマイクで何やらお喋りを始めます。船の説明や観光解説なのかと思いきや、実は観光関係の書籍や印刷物の販売だったのでした。この船では子供も大人も日銭稼ぎで一所懸命なのです。

フェリーはバニュワンギの港から離岸して、海峡へと進んでいきます。さよならジャワ島。

ベタ凪のバリ海峡。ちっとも揺れません。フェリーが進む方角には、いかにも成層火山らしいフォルムをしたバリ島の山々がそびえていました。

薄暮の海上に、バリ島の明かりが輝きはじめました。

バニュワンギ港を離れてから約45分で、バリ島ギリマヌッ港に接岸しました。
ジャワ島とバリ島では時差があり、バリの方が1時間早いので、接岸作業の間に自分の腕時計の針を17:15から18:15へクルッと一回り進めました。

18:20、ギリマヌッ港に上陸です。
私のように徒歩だけで移動する客は少ないらしく、ほとんどは車かバイク、あるいは予め手配されているバスなどでそそくさと港から離れていきます。上述のように、私はこの日に泊まるホテルへ送迎を依頼しておいたので、ホテルのスタッフは一人で下船してきた私をすぐに見つけ、声をかけてくれました。

この日の宿は「ミンピリゾート・ムンジャンガン」。意外と港から離れており、車で30分近く要しました。19時頃に到着し、ウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン。予約しておいたコテージに荷物を下ろしたあと・・・

2日間に及ぶ長距離移動は、ようやくここでひと段落。無事にたどり着けたささやかなお祝いとして、静かなマングローブの入江のほとりで、冷たいビールをゴクリ。うん、うまい!
さて、次回記事からはバリ島の温泉を取り上げてまいります。
バンドゥンから出発し、途中スラバヤで一泊しながら、鉄道でジャワ島を西から東へ横断してまいりました。鉄路はこのジャワ島東端の駅バニュワンギで途切れますが、私はここから更に海峡を越えてバリ島へと向かいます。


列車の終点バニュワンギ・バル駅はフェリーターミナルに近接しており、列車から降りた客の一部は、実際にこの駅からフェリーへと乗り換えていったようです。
後述しますが、フェリーで渡った対岸のバリ島・ギリマヌッ港のまわりには何もなく、そこからバスなどの交通手段に乗り替えて島内各地へ移動するのは、旅行者にとってはちょっと難しいかも。このため、ジャワ島とバリ島との間を、陸上交通とフェリーで移動する場合は、あらかじめバスとフェリーがパッケージになっているチケットを購入しておき、ジャワ島側の各都市でバスに乗車し、バスごとフェリーに乗りこんで、バリ島へ渡ったらそのままバスで各都市へ移動するというのが一般的となっているようです。駅前でも「クタ?」とか「ウブド?」などバリ島の主要都市名を挙げながら声を開けてくる客引きがたくさんいました。でも、私はこの日、ギリマヌッ港へホテルの送迎車をお願いしているため、こうした乗り継ぎサービスは不要。客引きたちを一切無視してフェリー埠頭へと歩き始めました。


閑散としている駅前ロータリーのゲートをくぐって表通りに出て、南に向かって歩いてゆくと・・・


徒歩数分でフェリーターミナルの大きなエントランスに辿り着きました。乗船する車両は料金所のようなゲートから入ってゆくのですが、私のような歩行者はその左手にある小さなゲートを入ります。


狭いアーケードのような通路の先にある窓口で乗船券を購入しようとすると、受付の無愛想なお姉さんが、あっちあっちと私の後ろの方を指差すではありませんか。


お姉さんが指差す方を振り返ってみると、小さなカウンターが括り付けられている小部屋があり、カウンターの上に置かれた発泡スチロールの小箱には、小さな用紙がたくさん詰め込まれていました。どうやら購入に際しては、この用紙に所定の事項を記入する必要があったんですね。名前やパスポート番号、宿泊先などを記入した上で、改めて窓口でチケットを購入します。すると、料金(Rp6,000)と引き換えにプラスチックカード状の乗船券が手渡されました。このカードを回転バーの改札機にタッチすると、更に先の構内へと進むことができました。


これが今から乗るフェリーです。岸壁には大型や中型など数種類のフェリーが停泊していたので、一応確認のため、待機場にいたスタッフのおじさんに「私が乗るのはこの(中型の)船で良いのか?」と確認すると、おじさんはそうだと頷き、そして私が持っていたカード券を回収しました。回転バーの改札機を通るためにカード状の乗船券にしたのでしょうけど、たかがそれだけのために、わざわざカード券にする必要性があるのか、よく理解できません。


さて乗船開始です。私が乗ったこの中型フェリーは、小型の乗用車やバイク、そして歩行者客を運ぶための船であり、バスやトラックなどの大型車は別の船を利用することとなります。


上画像は客室の様子。このフェリーは、東南アジアでよく見られる日本の中古船です。この日のバリ海峡とても静か。


日本の中古船ですから、船の随所にはその名残が見られます。たとえば、救命器具には"SUMITOMO"の文字が記されていたり、無線のアンテナにも日本のメーカー名があったり・・・


乗客が乗船してから出航するまで20分ほどの時間があったのですが、その間、おそらく近所に住んでいると思しき悪ガキ共が、叫びながら客席から海に飛び込み、その雄姿を乗客に見せてチップをせしめようとしていました。実際に誰かが海へコインを落とすと、子供たちはうまい具合に泳いでそのコインを懐へ収め、また船に上がってダイブすることを繰り返していました。子供達は遊びを兼ねて小遣いを稼いでいるつもりなのでしょうけど、海で泳ぐ子供達にコインを投げるのは、池の鯉に餌を与えるのと同じような感じがし、その行為に人道的ではないものを覚えたので、私はその光景を一瞥するだけに留めておきました。


フェリーは16:30頃に出航しました。出航とともに、客室の前ではスタッフがマイクで何やらお喋りを始めます。船の説明や観光解説なのかと思いきや、実は観光関係の書籍や印刷物の販売だったのでした。この船では子供も大人も日銭稼ぎで一所懸命なのです。


フェリーはバニュワンギの港から離岸して、海峡へと進んでいきます。さよならジャワ島。


ベタ凪のバリ海峡。ちっとも揺れません。フェリーが進む方角には、いかにも成層火山らしいフォルムをしたバリ島の山々がそびえていました。


薄暮の海上に、バリ島の明かりが輝きはじめました。


バニュワンギ港を離れてから約45分で、バリ島ギリマヌッ港に接岸しました。
ジャワ島とバリ島では時差があり、バリの方が1時間早いので、接岸作業の間に自分の腕時計の針を17:15から18:15へクルッと一回り進めました。


18:20、ギリマヌッ港に上陸です。
私のように徒歩だけで移動する客は少ないらしく、ほとんどは車かバイク、あるいは予め手配されているバスなどでそそくさと港から離れていきます。上述のように、私はこの日に泊まるホテルへ送迎を依頼しておいたので、ホテルのスタッフは一人で下船してきた私をすぐに見つけ、声をかけてくれました。


この日の宿は「ミンピリゾート・ムンジャンガン」。意外と港から離れており、車で30分近く要しました。19時頃に到着し、ウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン。予約しておいたコテージに荷物を下ろしたあと・・・


2日間に及ぶ長距離移動は、ようやくここでひと段落。無事にたどり着けたささやかなお祝いとして、静かなマングローブの入江のほとりで、冷たいビールをゴクリ。うん、うまい!
さて、次回記事からはバリ島の温泉を取り上げてまいります。
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