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温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

古里温泉 桜島シーサイドホテル

2016年11月23日 | 鹿児島県

鹿児島のシンボル桜島でも、海岸線に沿って温泉施設が点在していますが、今回はその中でも南側の古里地区にある「桜島シーサイドホテル」で日帰り入浴してまいりました。この地区には中規模のホテルが国道に沿って数軒並んでいますが、潮風が直撃する上、目の前で噴き上がる降灰の影響もあり、どの施設も一般的な建物より幾分草臥れているように見えます。


●男女別浴室

フロントで入浴料金を支払った後、階段かエレベーターで1フロア下へ移動し、案内に従って廊下を進んでゆくと、浴室が並ぶエリアにたどり着きます。こちらには男女別浴室のほか、家族風呂、そして混浴露天風呂「海辺」があるのですが、まずは男女別浴室から利用することにしました。


 
ほぼ全面がタイル張りの浴室。昭和の基準で建てられたホテルですから、浴室の天井が低いのは致し方ないところ。でも海を望む窓から燦々と陽光が降り注いでいますので、室内は照明なしでも明るく、床面積もそこそこ広いので、大浴場に期待される非日常的空間としての条件は十分満たしているかと思います。
室内の海側に浴槽がひとつ据えられ、手前側の左右両側に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付きカランが計4基設置されていました。


 
床面から数十センチほど高い位置に湯面がある浴槽は、目測で2m弱×3.5mほど。窓側で立ち上がっている湯口よりお湯が滔々と注がれており、浴槽の縁から間断なく溢れ出ていました。


 
窓から屋外に出ると、錦江湾を臨む高台の露天風呂です。こちらのお風呂も床面から高い位置に浴槽が設けられています。海側には柵が立っているのですが、湯船に浸かったときに眺望の邪魔にならないよう、視線にあたる部分だけ柵がくりぬかれているのがユニークです。


 
露天風呂でも内湯と同じ濁り湯が注がれており、しっかりとオーバーフローしていました。ただ、外気の影響を受けるため、内湯よりも若干ぬるめです。


 
海辺の高台に位置しているため、入浴しているときに楽しめる眺望が抜群。お風呂の南側に錦江湾が広がっていますので、海に向かって左側が大隅半島、右側が薩摩半島になります。薩摩半島の山並みを辿って行くと、円錐形が美しい開聞岳も明瞭に眺められました。


●家族風呂

男女別浴室の出入口と並んで、廊下の最も手前にあるドアは家族風呂のものです。


 
家族風呂は一室のみ。室内には小さな浴槽がひとつ設けられていますが、小さいとはいえ、複数人入れそうなキャパがあり、こちらでも温泉がしっかりと掛け流されていました。温泉成分の付着により室内の床などは赤茶色に染まっています。
なおこちらの窓から屋外に出ると、男湯の露天風呂とつながっています。


●露天風呂「海辺」
 
さてこちらのホテルご自慢の露天風呂へと参りましょう。男女別の浴室に付随している露天風呂のほか、波打ち際にも別個の露天風呂があるんですね。一旦服を着てから、廊下の突き当たりにあるドアを開け、階段を下り海辺へと向かいます。


 
階段を下り切ると、波打ち際の露天風呂「海辺」の浴槽が濁り湯を湛えていました。
男女別浴室の露天風呂は高台からの眺望が特徴的でしたが、こちらの露天は海水面と近いため、あたかも海と同化しているかのような感覚が楽しめます。なお浴槽はひとつしかないので混浴です。浴槽の向こう側に小屋がありますから、そちらで着替えます。


 
お湯は山側に組まれた岩から流されていました。浴槽自体は無機質なコンクリでやや浅いつくりなのですが、景色が素晴らしいのでそのあたりは目を瞑りましょう。むしろその浅さを活かし、うつ伏せで湯浴みするととっても良い感じです。
お湯は内湯と同じもので、モスグリーンを帯びた山吹色に濁っており、透明度は15〜20cmといったところです。薄い塩味と弱い金気味のほか、弱い炭酸味が感じられ、湯面からは弱い金気臭と土気臭が漂っていました。前回取り上げた近所の海潟温泉とは全く異なる泉質であり、近隣の温泉地で表現するなら妙見や安楽など新川渓谷沿いの温泉に近いタイプのお湯と言えるでしょう。湯中ではギシギシと引っかかる浴感があり、肌の皺一本一本にお湯の濁りが染み込んでくるような感覚が得られます。そして湯上がりは大変よく温まり、しばらくは汗が止まりませんでした。

桜島がもたらす大地の恵みと、錦江湾のパノラマを一度に楽しめる、素晴らしい温泉でした。


ナトリウム-塩化物温泉 46.8℃ pH6.0 溶存物質3765mg/kg 成分総計4126mg/kg
Na+:983.3mg(72.85mval%), Mg++:105.4mg(14.77mval%), Ca++:87.8mg(7.46mval%), Fe++:8.0mg,
Cl-:1609.0mg(79.18mval%), SO4--:210.7mg(7.66mval%), HCO3-:451.5mg(12.91mval%),
H2SiO3:191.9mg, CO2:360.8mg,
(平成8年6月21日)

桜島港から鹿児島交通(路線バス)の桜島口行か垂水港行で「文学碑前」バス停下車すぐ
(路線バスの時刻は「九州のバス時刻表」で検索してください)
鹿児島県鹿児島市古里町1078  地図
099-221-2121

日帰り入浴11:30〜20:00
500円
ボディーソープ・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

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2 コメント

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Unknown (ぬる湯マスター)
2017-09-16 17:26:18
こんにちわ^^。
まだギリギリこんにちわ、の時間かと^^。
ここはもう、絶景過ぎて驚いてしまいますね~!
鹿児島ですか、、、。鹿児島空港からですよね。
こちらのブログを見ていると、本当に目移りします~。
私はまだ、離島は佐渡島しか行った事が無いのですが、
この様な素晴らしい景観の中での湯浴みは魅力的です!
今頃、台風野郎がこの辺りに来てるんですかね?
この台風野郎のせいで、週末ゴルフがパァですよ、、、。
K1殿も、念の為風雨に気を付けてお過ごし下さい。
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Unknown (K-I)
2017-09-17 01:58:22
ぬる湯マスターさん、こんばんは。
この週末は台風のおかげで散々ですね(涙)。幸か不幸か連休は所用が重なり、出かけられないので、屋内でおとなしく台風をやり過ごします。
こちらの温泉は、桜島の火山灰をいつも浴びているためか、建物はかなり草臥れているのですが、お風呂のロケーションは素晴らしく、いつまでも海を眺めて入っていたくなりました。鹿児島県は温泉の宝庫ですから、いつ訪れても新しい発見があります。また早く飛行機に乗って行きたいものです。
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