温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

東莱温泉 虚心庁

2020年01月22日 | 韓国
前回に引き続き、韓国・釜山の歴史ある奥座敷、東莱温泉を巡ります。


今回訪れたのは、東莱温泉のランドマークと言うべき巨大温浴施設である「虚心庁(허심청)」です。観光ガイドブックやパンフレットで紹介されているのはもちろんのこと、多くの日本人客がここを訪れているため、ネット上でたくさんの訪問記を見ることができます。東莱温泉を訪れて「虚心庁」を訪ねないのは、草津温泉へ行って湯畑を見ないのと同意義であるような気がしたので、大きな施設があまり好きでない私も今回ばかりは訪ねてみることにしたのです。



「虚心庁」は、これまたご当地の巨大ホテルである「農心ホテル」の付帯施設であり、両者は連絡通路でつながっています。農心といえば日本でもインスタント麺の「辛ラーメン」でおなじみの企業ですね。



こちらが「虚心庁」の入口。まるでシティーホテルや大規模結婚式会場のような佇まいです。



温浴施設と思えないほど立派な吹抜けの1階ホールに圧倒されてしまいました。



その1階ではパン屋さんの他、上画像の日本料理店が営業していました。この日本料理店のみならず、館内には日本を思わせるようなものが散見されるのですが、農心の創業者(辛春浩氏)の実兄は先日亡くなったロッテ創業者の重光武雄(辛格浩)氏ですから、日本とは浅からぬ縁があり、それゆえ韓国文化の中に日本の色も加えたハイブリッドな雰囲気づくりを目指していたのかもしれません・・・



そんなことを勝手に想像しながら、吹抜けのホールからエスカレーターで2階へ上がってゆくと・・・



「最高の温泉 虚心庁へようこそ」という大きな文字がお出迎え。



大きな文字の先には綺麗な飲食コーナーが広がっていました。さすが食料品メーカーが経営母体だけあり、飲食に関してはしっかりしているようです。ここから更に上がって受付へ。
こちらでは利用料金を退館時に一括で支払う方式を採用しています。まず受付で番号付きのロッカーキー(電子錠)を受け取ります。このロッカーキーは下足箱の鍵も兼ねていますから、指定された下足箱に靴を収め中へと入ります。

横に長い脱衣室には非常にたくさんのロッカーがズラリと並んでおり、その数にも圧倒されました。「虚心庁」は男女合わせて3000人を収容できるんだそうですが、なるほど十分賄え余りあるほどの数が揃っているのではいないかと思われます。なお更衣室内の専用カウンターにて追加料金を支払えばチムジルバンの利用も可能であり(専用の館内着が渡されます)、こちらを訪れるお客さんの多くはチムジルバンも一緒に利用しているようでしたが、私は今回チムジルバンを利用せず温泉入浴のみでしたので、更衣室で全てを脱ぎ、すっぽんぽんで浴場へと向かいました。

以下、浴場内の画像は公式サイトから拝借しました。


総面積約1300坪にも及ぶという超巨大浴場に、三たび圧倒される私。普段は日本の小さなお風呂でせせこましく湯浴みしているので、こちらのような巨大すぎるお風呂に直面するとどうしてよいかわからず、しばらくその場で呆然と立ちつくしてしまいました。でかい。でかすぎる!
大きなドームが印象的な巨大浴場内には趣向を凝らした40種類近い浴槽があるんだとか。どこから入るべきか迷ってしまいますね。当然ながら洗い場もあり、多くのシャワー付きカランが設けられています。



このような洞窟風呂があったり、露天風呂があったり、薬湯があったり、あかすりやサウナがあったり、ドリンクなどが注文できる売店があったり・・・



そして日本の温泉を彷彿とされるような檜風呂があったりと、実に多種多用。ちなみにこの檜風呂は数多ある浴槽の中で(おそらく)最も熱い湯加減に設定されており、私の訪問時には体感で44~45℃はあったかと思われました。

なおドーム真下にある最も大きな中央の主浴槽には温泉に関する説明が記されており、これによれば46~60℃の自家源泉を5本所有しており、そこから汲み上げられる温泉は日量1000トン。地下の貯蔵タンクで一旦冷ましてから各浴槽へ供給しているんだそうです。さてその温泉のお湯に関してですが、無味無臭で無味無臭。さらっとしているものの、特段これといった個性的浴感があるわけでもなく、掴みどころに欠けるお湯でした。湯使いもよくわからないので、お湯に対して評価しにくいのですが、でも巨大ゆえにゆとりがあり、いろんなニーズに応えられる浴槽が用意されているため、時間を忘れてゆったりのんびりと過ごし、心身を日々の喧騒から解放して、まさに虚心の状態になれることは間違いありません。かく言う私も場内で垢すりの施術を受け、サウナにも入り、そして多様な浴槽につかって、気づけば全身すっきりシャッキリして、より一層男に磨きがかかったような気がしました(あくまで自己認識に基づく比較)。ま、そんな戯言はともかく、釜山へ出かけたならば一度は訪れる価値がある面白い施設でした。


●東莱温泉の街並み
「虚心庁」について充実した記事が書けなかったので、内容を補うため、温泉街の様子を簡単にご紹介します。


東莱温泉の温泉街。
温泉ホテルが立ち並んでいるほか、飲食店なども多く集まり、いわゆる歓楽街らしい街並みが形成されています。



温泉街の中心部には温泉の公衆浴場も多く、誰でも気軽に入浴できます。温泉マニアでしたら、ついついハシゴ入浴したくなるような環境です。



色鮮やかなネオンきらめく夜の温泉街。みんなでワイワイ飲む店もあれば、おじさんが鼻の下を伸ばす店もあり、小洒落たカフェがあれば、庶民的な露店もあったりと、いろんな側面を持つ面白い街でした。



お風呂上がりにグビグビ喉を鳴らしたかった私は、宿泊先の近くで見つけた小さなビアバーに入り、クラフトビールをいただきました。おいしかったですよ!




翌朝、温泉街を散歩していると「温泉理想郷」という名称の足湯を発見。見つけた時は残念ながら営業時間外でしたが、空いていれば無料で利用できるようです。営業時間は10:00~17:00(11月~2月は16:00まで)で毎週火曜が定休。なお入口付近には、ちゃんと日本語表記の案内も掲示されていました。




温泉街中心部にも足湯がありました。その名も「東莱温泉露天足浴湯」。ありがたいことに漢字表記です。営業時間は上の「温泉理想郷」と同じですが定休日が異なり、こちらは毎週水曜と金曜がお休みなんだとか。

さて次回記事は東莱温泉で私が最も心を掴まれた温泉公衆浴場を取り上げます。


(以下、「虚心庁」のデータ)


釜山広域市東莱区金剛公園路20番路23
051-550-2100
ホームページ(日本語)

温泉5:30~24:00 (受付23:30終了)  年中無休
平日10000ウォン・休日12000ウォン(チムジルバン使用時は2000ウォン追加)

私の好み:★★

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