温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

東根温泉 さくら湯

2017年09月12日 | 山形県
 
山形県の東根温泉が大好きな私は、拙ブログでこれまで当地のいろんなお宿や浴場を取り上げてまいりましたが、今回ご紹介するのは温泉街中央部のメインストリート沿いに位置する旅館「さくら湯」です。今回は日帰り入浴での利用です。周辺他宿と比較すると中小規模であるように見えますが、そのかわり、桜色の目立つ看板を通りに向かって掲げることで存在感をアピールしていました。



お花や人形などで華やかに飾られた玄関から館内に入り、ロビーで日帰り入浴をお願いしますと、若い女性スタッフの方が快く対応してくださり、お風呂は掛け流しであること、また湯船が熱い時は搔き混ぜ、それでも熱い場合は水で薄めてください、などお風呂に関して一つ一つ丁寧に説明してくれました。その丁寧な接客と説明からはお宿の上品さが伝わってきます。


 
1階の玄関左手に紺と朱色の暖簾がさがっていました。また浴場入口の近くにはお水のサービスも用意されていました。


 
脱衣室から浴室へ足を踏み入れた瞬間、いかにも東根温泉らしい材木的な芳香、いわゆるモール泉の香りが鼻腔をくすぐってきました。イヤが応にもお湯に対する期待に胸が膨らみます。お風呂は内湯のみで、タイル張りの内装は一見すると実用的ですが、丁寧にお手入れされているほか、中央の床には桜の模様があしらわれた石板が埋め込まれており、そこはかとない非日常が醸し出されていました。室内にはひとつの浴槽と洗い場が設けられており、浴槽上の窓には採光を確保しながら外部からの視線を遮る曇りガラスが採用されています。



洗い場にはシャワー付きカランが3基取り付けられています。カランから出てくるお湯は真湯です。


 
浴槽は(目測で)3m×1.5mの四角形。浴槽内はタイル張りで縁のみ御影石が用いられており、その縁の上を温泉が惜しげも無くオーバーフローしていました。上述のように室内にはモール泉の匂いが香っていたことからもわかるように、湯船に張られているお湯は琥珀色を帯びており、浴槽内のステップは目視できるものの底面は見えないほどの濃い色合いを呈しています。
私が湯船に入ろうとすると非加水ゆえに熱かったので(体感で47〜8℃)、先ほど女性スタッフの方が説明してくださったようによく掻き混ぜたのですが、それでもなかなか適温まで落ち着かなかったため、止むを得ず必要最小限で加水させていただきました。


 
浴槽にお湯を供給している湯口からは、混じりけのない100%源泉の温泉が注がれており、湯加減コントロールのために投入量をやや絞っていました(が、それでも湯船は熱めでした)。湯口の流路では白い湯の花がユラユラ揺れており、硫化水素の存在を目で確認することができます。この湯口から注がれるお湯を口に含んでみますと、薄い塩味とほろ苦みが口の中に広がり、モール泉的な芳しい香りが鼻へ抜けていきます。湯船に肩まで浸かると、大変滑らかなツルツルスベスベ浴感に全身が包まれ、まるで化粧水の中にいるかのような錯覚を楽しめます。お宿の表には「美肌の湯」と書かれた札が立てられていましたが、なるほど納得、その滑らかさが肌に馴染んで、熱めの湯加減なのに長湯したくなりました。熱いのにお湯が優しく、それでいて湯上がりは程よく温まり、且つ爽快感も得られます。
お湯もスタッフも揃って佳い、好印象のお宿でした。今度は宿泊利用してみたいものです。


協組第19号源泉
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 64.7℃ pH7.8 蒸発残留物1331mg/kg 溶存物質1526mg/kg
Na+:429.8mg, Ca++:3.1mg,
Cl-:427.6mg, Br-:1.2mg, I-:0.4mg, HS-:0.2mg, SO4--:39.4mg, HCO3-:477.9mg, CO3--:2.2mg,
H2SiO3:69.3mg, HBO2:29.6mg, CO2:13.3mg,
(平成22年4月23日)
加水加温循環消毒なし

山形県東根市温泉町1-9-3  地図
0237-42-0043
ホームページ

日帰り入浴可能時間不明
500円
シャンプー類・ドライヤーあり、ロッカー見当たらず

私の好み:★★★
コメント (2)
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