温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ジャワ島を鉄道で横断 その3("Mutiara Timur"号でバニュワンギへ)

2017年05月03日 | インドネシア
前回記事「ジャワ島を鉄道で横断 その2("Argo Wilis"号でスラバヤへ)」の続編です。

●翌朝、スラバヤ・グブン駅へ
 
スラバヤ・グブン駅から徒歩圏内のホテルで一晩を過ごし、翌朝はホテルでゆっくり街の景色を眺めながら、バッフェ式の朝食をいただきました。リーズナブルなホテルなのに品数は大変豊富。その多さは今回のインドネシア旅行で宿泊したホテルの中では一二を争うほどでした。


 
8時過ぎにホテルをチェックアウトし、交通量の多い表通りへ出て、歩いて駅へと向かいます。


 
途中で昨夜通り過ぎた「潜水艦博物館」の前を再び通過。昨夜は暗くて外観があまりわからなかったのですが、明るい時間帯に改めて見てみますと、ガンダムのプラモデルみたいな塗装をしていたんですね。開館時間内には潜水艦の内部に入れるんだとか。


 
前夜は駅の北側にある跨線橋で線路を越えましたが、この日は駅の南側を横断する踏切を渡り、モスクを眺めつつ、駅前の雑踏をもまれながら・・・


 
スラバヤ・グブン駅へとやってまいりました。駅舎のタイル床は、常に清掃スタッフがモップがけをしているのでピッカピカ。構内にはいろんなお店が入っています。


 
まずは専用端末でチェックインを済ませます。「ジャワ島を鉄道で横断 その1」で述べましたように、予約購入を済ませている場合は、QRコードが印刷されている予約票(プリントアウトしたメールなど)を端末に読み取らせるか、端末に予約番号を入力すると、画面に予約内容が表示され、正式なチケットが発券されます。この発券によってチェックインが完了です。なお今回乗車する列車に関しても、ジャカルタの日系旅行会社にお願いして手配してもらいました。


 
発車時間の約20分前に改札が開始されました。チケットとパスポートを提示してホームへ進みます。この時は他に入線している列車がなかったので、迷うことなく乗車すべき列車のホームへ行けました。


●"Mutiara Timur"号に乗車

今から乗車するのは"Mutiara Timur"号。


 
ホームではコバルトブルーの制服をまとったアテンダントのお姉さんがお出迎え。"Mutiara Timur"号に連結されている車両は、前日にお乗った"Argo Wilis"号よりちょっと古いかな。先頭から最後尾までひと通り見たところ、ビジネス(2等相当)が3両、エグゼクティブ(1等相当)が4両、そしてギャレー車両と電源車が1両ずつという編成でした。


 
今回は行先表示板に記されている起点のスラバヤ・グブン駅から終点のバニュワンギ・バル駅まで乗り通します。チケットで指定された座席は、エグゼクティブの1号車2B。列車の号車は、てっきり先頭から1・2・3…の順にふられているのかと思いこんでいたので、私は機関車の方へ向かったのですが、実際には車両の等級別に序数が付されているらしく、エグゼクティブの1号車は、機関車から数えて6両目でした。


 
車内のレイアウトは昨日の"Argo Wilis"号と大差ありませんが、全体的に古くて薄暗く草臥れており、真っ青なカーテンとシートモケットの影響で、車内は青色によって占拠されているように見えました。


 
ガラス窓は補修を何度も重ねているらしく、コーキングの塗り方が実に雑。ガラスも汚れで曇っているため、視界があまりよくありません。でも、そんな窓下に設けられている小さなテーブルにはコンセントが2つ用意されており、乗客の皆さんは持参したアダプターを挿し込んで、スマホやタブレットを充電していました。もちろん、私も利用させていただきました。古い車両ですが、時代に応じたサービス提供を心がけているのでしょう。


●スラバヤを出発
 
デッキ部には路線図が貼り付けられていました。スラバヤ・グブン駅を出ると、途中12駅に止まりながら、終点バニュワンギ・バル(Banyuwangi Baru)駅には15:30到着する予定です。ダイヤ通りに走ってくれれば6時間半の乗車。昨日の"Argo Wilis"号ほどではありませんが、この日もなかなかの長旅になりそうです。
私が乗った列車は定刻9:00に静かに出発。市街地を抜けた後はしばらく平坦な耕地を走り、変化に乏しい退屈な車窓が続きます。


 
スラバヤを出てから約3時間半が経った頃、東ジャワのランビブジ(Rambipuji)駅に停車しました。定刻の12:38に着いていますから、ダイヤ通りに運行されているようです。


 
 
続いて、東ジャワ州の主要都市のひとつであるジェンベル(Jember)駅に到着。定刻は12:52着で13:00発なのですが、まさにそのダイヤ通りに運行されていました。すばらしいですね。この駅ではピンク色の服装を着た女性と子供たち(母子?)のグループが多く、駅構内がピンク色に染まってるように見えました。また、こうしたグループのみならず、乗客の多くがこの駅で下車していったため、車内は一気にガランとしてしまいました。乗務員もこの駅で交代していました。


●峠を越えて海峡側へ

さて、ジェンベルを過ぎてしばらくすると、列車は平坦な場所から徐々に山間部へと進み、ラウン山の南麓にある峠を越えるべく、カーブだらけの上り勾配へさしかかりました。スピードがガクンと落ち、車両も上下左右に大きく揺れます。朝のスラバヤは青空が広がっていましたが、山間部へ近づくと鉛色の低く厚い雲が頭上を覆い、やがてガラス窓に大粒の雨が叩きつけられるようになりました。


 
小腹がすいてきたので、車内を巡回していたアテンダントのお姉さんにランチを注文したところ、10分ほどで座席までデリバリーしてくれ、代金と引き換えに、食事と伝票が手渡されました。食事といっても、前回記事で紹介したように冷食を解凍しただけです。この時オーダーしたのはミートボール入りのナシゴレンで、代金30,000ルピア。中身はスカスカで器がスペースを持て余しており、見た目はあまり宜しくありませんが、味はまぁまぁといったところ。


 
峠を越えると、車窓には再び平坦な水田が広がるようになり、列車のスピードも徐々に回復してゆきます。バリ海峡側には小さな町が点在しているらしく、ちょっと走ってはすぐに停車することを繰り返し、各駅でこまめに乗客を降ろしていました。画像左(上)はKalibaru駅。定刻では14:07着・14:10発ですが、雨の影響なのか少々の遅延が発生していました。


 
ジャワ島を横断する鉄道の旅もようやく終着点へ。15:35に終点バニュワンギ・バル駅に到着しました。定刻は15:30着ですから、遅延はなんと僅か5分。途中の峠越えで強い雨に見舞われたにもかかわらず、この程度で収まったんですからすばらしい! 私は運が良かったのでしょうか。
さて、この駅を出てからは、歩いてフェリー埠頭へ移動し、船で海峡を渡ってバリ島へと向かいます。


次回記事に続く


コメント
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