温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

下の岱温泉 やまの湯っこ

2009年10月22日 | 秋田県


秋田県湯沢市。国道13号及び湯沢横手道路の須川から県道51号線を泥湯温泉及び小安峡方面へ向かう途中、三途川渓谷を過ぎてちょっと走った路傍に「やまの湯っこ」の看板が立っていますので、この看板に導かれて山を登る細い一本道をひた走ると、やがて視界が開けて山腹から白い湯煙が濛々と立っている場所に出くわします。そして道の右側に今回目指す「やまの湯っこ」があります。

奥へ入った場所にあるためかお客さんはそう多くないようで、私の訪問時も誰もおらず、宿の奥さんは座敷の窓際で横になって夢の国へお出かけしている最中でした。気持ちよさそうに寝てらっしゃったので起こすのは忍びなかったのですが、無断で入るのも気が引けるので、やむを得ず声を掛けて現の世界も戻ってきてもらいました。
男女別の浴室は割りと広めで、大きめの内湯がひとつずつあり、男女間は岩で仕切られ、浴室の床と浴槽の底には輪切りにした木が埋め込まれています。浴槽は大小ふたつに仕切られており、それぞれ中央の底からブクブクとジェットバスのように泡が出ています。湯温について、大きい方は入れないほど非常に熱く、小さいほうは丁度良い湯加減でした。大きいほうに水のホースを入れて薄めてみましたが、なかなか湯温が下がらず入浴を断念。小さいほうだけの入湯となりました。

無色透明のお湯からは硫黄の香りが漂い、微かにたまご味が感じられました。湯口のゴムホースには白や黄色の硫黄がびっしりと析出しています。熱くて無色透明で硫黄の味・匂いがする温泉なら他にもいろいろとありますが、ここのお湯で特徴的なのはその感触。非常に強いヌルヌルスベスベ感を有しているのです。うなぎ湯と称される宮城県の中山平温泉もヌルヌルするお湯として有名ですが、それに匹敵するほどで、何度も肌をさすってそのヌルヌルスベスベ感を愉しんでいるうちに、すっかりこのお湯の虜になってしまいました。ただしヌルヌルするお湯ゆえに床はすべりやすく、私は床に埋め込まれた輪切りの木で思いっきり滑ってしまいました。なお、カランから出るお湯も温泉ですので、同様にヌルヌルを楽しめます。

ここのお湯は日本屈指のヌルヌル湯なのではないでしょうか。泥湯や川原毛地獄などの観光名所に近い場所ながら、あまり人に知られていない、隠れた名湯です。




白や黄色の硫黄分で覆われた湯口のホース


アルカリ性単純泉
(温泉分析表の掲示なし)

秋田県湯沢市高松下ノ岱48 地図
0183-79-3245

9:00~16:00
300円
シャンプーあり(ドライヤー・ロッカーは無し)

私の好み:★★★
コメント
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