昨日のきりたんぽのお勉強の続きです。
きりたんぽ鍋の具材として、本場大館きりたんぽ祭りでは、たんぽの他に、比内地鶏(肉)とガラから取った出汁、ごぼう、きのこ、ネギ、セリが必需品で、他に使用できるものとして糸コン、サトイモ、食用菊を挙げ、これ以外は使わないものとしています。
比内地鶏は、元々は地鶏(比内鶏)で、肉としても出汁としても重要でしたが、1932年(昭和17)に国の天然記念物に指定されて食べられなくなりました。そのため1973年(昭和48)に当時の比内町の町長の発案で比内地鶏が誕生し、その後はきりたんぽ鍋には比内地鶏というのが定着しました。
きりたんぽの材料であるコメの品種にもこだわる製造業者もあると云われています。多少粘り気のある「あきたこまち」が最適だと主張する業者。いや、本荘、象潟など、由利地方の「ささにしき」が一番だとほれ込んでいる業者。中には、わざわざきりたんぽ用に各品種をブレンドして使う業者もいるほど
また木にもこだわりがあり、なんでもよいと云うのはなく、杉の木が木の香りもついて最適だとされており、農産品直売店や朝市などでは、杉の木が束で売られている。
具材でもう一つ、秋田の人がこだわるのがセリです。普通のセリは、葉の部分を使うが、きりたんぽ鍋では根っこも入れる。この根が良い出汁になるとのことで、秋田のセリは、葉が6割、根が4割と根が長く、そのまま販売されているものが多いのが特徴。セリは春の七草にも数えられる野菜で、冬が旬。このため、セリが入手しにくい夏には、暑さのせいでなく、セリが手に入らないため出さないという料理屋もあるとか。
こうしたこだわりの材料で作られるきりたんぽ鍋で、近年では醤油スープで(比内地鶏)鶏肉、他の具材も決められたものだけというのが固定概念になって来ていますが、明治以前は具材もスープの味もバラバラだったようです。
2018年(令和元)頃から、角館の安藤醸造元を中心に味噌味、豚肉のきりたんぽ鍋を普及させる動きがありました。イメージとしてはトン汁にきりたんぽを入れた感じ?従来のきりたんぽ鍋の固定概念に加えて、新型コロナの流行もあり、採金はトーンダウンしているようですが、そうしたものがあってもいいようです。(写真は過去に撮影したものです)
時々一時