OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

ビジネスの世界に対等な関係って、意外に少ないのかも

2006-10-24 21:13:25 | Weblog
タイトルを読んで「ええっ!!」と驚いてらっしゃる方、あるいは怒ってらっしゃる方、多いかもしれません。そんなこと、意外でもなんでもない、当たり前のことだって。でも、わたし的には、ものすごく意外っていうか・・・納得できないことなんですよ、対等な関わりというのが成立し難い世界というのは。

小学校の頃から、わたしは「先生」という存在に、ある種の不信感を持っていました。素敵な先生も多かったのですが、先に生まれた人たちだというだけで、勉強を教えるという立場にいるからというだけで、自動的に私が尊敬することを義務付けられるということに、猛烈に反発を感じていました。尊敬できる先生なら、言われなくても尊敬する。尊敬できない先生なら、いくら強制されても尊敬なんか出来ない。それが、当時の私の譲れない信念でした。

そんな私でも、大学を卒業してから、無事に企業に就職出来ていたら、色々と学ばざるを得なかったと思うのですが、受けた会社全部に落ちてしまって、その機会を失いました。でも・・・それも、必然だったかもしれません。受けた会社に全部拒否されたのは、学校の成績が悪かったこともありますが、正直、態度も悪かったのです(^^;。会社訪問をした時に、他の学生たちの謙った言葉遣いが、やたらと不愉快に感じられて、「わたしは、絶対にぺこぺこしない」と決心して就職活動してましたから、企業側から見たら、最も雇いたくない生意気な学生だったでしょう。何の経験も実績もない若造のくせに、成績は悪い、態度はデカイ・・・雇いませんよね(^^;。

結局、進路が見つからず、自宅で私塾などしながら、大学院の聴講生などもしつつ時を過ごし・・・そのまま家庭に入ってしまいました。子どもが2人生まれ、下の子が保育所に入る歳になった時、わたし自身も、ちょうど三十歳を目前にしていましたし、「何かやろう」という気になって、OBERONという組織を立ち上げました。当然、自分が始めた組織ですから、わたしは、そこの長です。お給料を払う立場です。いきなり、偉い人になりました。

もちろん、立派なのは肩書きだけ、わたしの中身は、子どものころから殆ど成長していない貧相なものです。でも、世の中、この肩書きの威力と言うのは、すごいのです。どんなに頭が空っぽでも、どんなに貧しい心根であっても、肩書きだけで持ち上げられるのです。当然、わたしは、そのことに反発しました。働いてくれているスタッフのことは、あくまでも仲間なのだと主張し続けましたし、お子さんを預かって指導する仕事をしていても、保護者の皆さんに先生と呼ばれることを嫌っていました。経営者と従業員という関係は、決して上下の関係じゃないし、先生と生徒も先生と保護者も、あくまでも人と人同士の関わりであるべきだと言いつづけていました。

業務に、水商売たる珈琲屋が加わった時も、お客さまは神様じゃないし、店の者は僕(しもべ)ではない、あくまでも対等な関わりだと信じ、そのようにやってきました。

けれどそれは、小さなりにも「お山の大将」の立場にいるからこそ言えたことだったのです。最近になって、やっと「弱い立場で仕事をする」ということを知りました。認可をもらわなければ仕事が出来なかったり、単発の契約で仕事を貰うような働き方をするようになって・・・納得いかないことがあっても、そのことに拘らず、感性をオフにして、今の仕事を無事に済ませ、次の仕事にありつくことに専念するという処世術を身につけ始めたのです。

これでやっと、わたしも大人になったということでしょうか・・・子どもの頃に嫌っていた「汚い大人」って奴に、四十も半分以上過ぎて、やっとなれたのでしょうか。

けれど・・・わたしにとって、問題なのは、自分が汚れてしまったことではないし、弱い立場で仕事をしなければならないことでもないのです。相変わらず、強い立場も維持している身として・・・無意識に、周りの人に我慢させ、気を使わせているに違いないということに、ようやく気づいたのです。自分では、努力して対等な関わりを構築してきたつもりでしたが、決してそんなことはなかったはずだと、今、ようやく気づいたのです。絶対に、わたしは、沢山の人を踏みつけにしてきたはずなのなのに、自分では、そのことに気づかなかったし、気づく気もなかった・・・立派に汚い大人たちより、よほど始末が悪いはずです。

文句を言ってくる人は、まだイイのです。相手が何を考えているか、何を我慢していたか、何を欲しがっているかが分かりますから。けど、ほとんどの大人は、自分が弱い立場で働く時、不満があっても、なかなかそれを口にしたりしないのだということを、わたしは分かって居なさ過ぎました。

ふむ・・・はぁ~・・・ふぅ~・・・気づいたからにはと思うのですが、どうしたらいいのか、見当も付きません。今、かなり落ち込んでいます(^^;。