ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

混乱はこれからも続くはず

2014-07-31 14:36:00 | 社会・政治・一般

週末、少し体調が悪かったので、それをいいことに一日中家でゴロゴロ怠けていた。

これはこれで好きである。もっとも落ち着きのない私のことだ、洗濯したり、アイロンかけたりと結構忙しくしていた。合間にPCを開いてニュースなどを閲覧したり、あるいはCS放送でBBCや、CNNのニュースをライブで見ていた。

やはり、どちらもウクライナ上空でのマレーシア航空の撃墜事件か、イスラエル軍のカザ侵攻のどちらかがメインのニュースが多かった。同時通訳なので、よく聴いていないと分からなくなるのが難点だが、妙なことに気が付いた。

ロシアへの非難にせよ、イスラエルへの非難にせよ、アメリカの意向がニュースのメインになるのは当然なのだが、出てくるのが何故かケリー国防長官ばかりなのだ。肝心のオバマ大統領の映像も出るには出るが、どうも印象が薄い。

まる一日、ニュースをぼんやりと見ていると、覇権国アメリカの面影はなく、山積する国際問題に主導権を発揮しえないアメリカの姿ばかりが印象に残った。

実際、民間航空機を撃墜したロシアへの実効性のある具体的な制裁はないだろうし、ガザで民間人を殺しまくるイスラエルへの具体的な抑制もないだろう。

アメリカは面子があるので、一応制裁をかけるが追随する国は少ないはず。もはやアメリカは世界の警察官たる役割を回避している。そうとしか思えない。

だが、まる一日、ニュースを見ていた後で考え直すと、別の見方も出来ることに気が付く。アメリカは労せずしてロシアが世界の不安定要因であることを世界に印象づけた。またイスラエルはアメリカとイスラム世界との友好に釘を刺すことに成功した。

アメリカは、その巨大経済を支える柱として、武器輸出先が必要だ。アメリカ軍に直接頼るのではなく、そのアメリカ製武器を購入することで、不安定な世界に対するための防衛を得ようとする国々を増やすことに成功したともいえる。

不安定な世の中こそが、アメリカ経済の大きな柱である軍事産業を栄えさせる。またアメリカ製武器を装備し、その訓練を任されることで軍事的友好国を育て上げる戦略が徐々に成果を出しているともいえる。

平和を戦争がないことだと考える日本の平和原理主義者には受け入れがたいだろうが、アメリカの考える平和とは、軍事的緊張を伴う不安定な状態であるようだ。そのためには、局地的戦闘が時々起ることは、むしろ望ましいとさえ考えているのだろう。

世界大戦はいらないが、局地的戦闘で済む不安定な国際情勢は、アメリカにとっては望ましい平和だと考えているように私には思えた。

ちなみに日本に関する報道は、BBC、CNNともにほとんどなく、当然に北朝鮮との交渉のことも数秒で片づけられていたのが欧米中心の世界情勢の実情なのだと確認できた一日でもありました。


コメント (6)
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