ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

絶対安静は苦手

2014-07-18 12:00:00 | 健康・病気・薬・食事

目が覚めたら、病室の天井が見えた。

一瞬前まで、手術室の天井を見上げていたはずなのに、目を開けた途端に病室に戻っていた。しばし唖然とした。原因は分かっている、全身麻酔である。

長期の入院生活を送った経験がある私だが、実のところ全身麻酔は初めての経験だった。本当に意識が断絶しているのは驚いた。

先週後半、かねてから医者に進められていた検査入院をしてきた。二泊三日の忙しない入院生活であったが、その目的は肝臓の生体検査、通称肝生検である。肝臓に細い針を刺し、その組織の欠片を採取して電子顕微鏡で観るのが目的だ。

レントゲンやCT、MRIと様々な検査があるが、医師としては、やはり内臓の組織そのものを観察したいらしい。数年前から複数の医師から勧められていた検査なのだが、私は躊躇っていた。

20代の頃に肝臓ではなく、腎臓の生体検査を二度ほどやっている。検査そのものは、簡単な手術でナース・ステーションの一角で行われた。一度目は一発で組織がとれたが、二度目の時は医師が下手で数回刺されてダメ。もう一人の上手な医師が替わってやってくれた。

まァ、大学病院なので医師の勉強も仕方ないと諦めたが、一番嫌だったのはそのあとの絶対安静であった。腎臓は血流の多い臓器なので、24時間の絶対安静が必要とされる。

背中に止血用の重しを乗せられたのはともかく、ベッドの上で身動きできずに24時間は苦痛である。時折手足をマッサージしてくれたりもあったが、正直言って拷問に近いものを感じていた。

ただ、その必要性は知っていた。当時、入院していた病棟で、この絶対安静を守らず、術後半日も我慢できずに売店に買い物にいったある患者は、内臓出血で倒れて腎臓摘出手術をしている。その当人を見ていたので、絶対安静の必要は認めていた。しかし、苦痛は苦痛であった。

だから医者から勧められても、多忙を理由に断っていたのだが、今年新たに担当医となった女医さんは、なかなかに強硬で遂に承諾する羽目に陥った。ただ、その際、私が過去に腎臓の生検を受けており、その後の安静が辛いと話すと「肝臓は腎臓よりは血流は少ないから、絶対安静は12時間よ」と云われたので、そのくらいなら我慢だと思って承諾した。

いざ入院して、翌日には検査だが、手術室で行うこと。また一人あたり30分前後で、私は午前の部の最終の4人目だと教えられた。ちょっと嫌な気がした。一番面倒な患者を最後にもってきたのか?

実は医師がMRIやCTの図面を見ながら、ここは入り組んでいるから難しいのよねぇと言っていたのを思い出したからだ。実際、11時に手術室に呼ばれ、中に入り手術台に横たわると、女医さんは私の背中を何度もまさぐりながら「ここかな、いや、こっちがいいかも」などと口にする。

この女医さんとは、まだ半年たらずの付き合いだが、どうもSっぽい。患者をチクチクいたぶって楽しんでいるように思える時がある。「ここかな、でもこっちから刺すほうがいいかな」などと悩んでいるようだが、それが楽しげに聞こえるのは私の偏見だろうか。

局所麻酔の注射を打たれた痛みがあり、その後酸素マスクをかけられたあたりまでは覚えている。そして気が付いたら病室に戻されていた。全身麻酔の威力は凄いものだ。

その後3時間はまったく動いてはならない絶対安静で、4時間以降は少し緩和されて寝返りまでは許された。その間、寝ながら排尿したのが一度きり。昔、何度となく経験しているので、このあたりはスムーズに出来た。

術後、6時間が経過し、ベッドの上での自由は許されたが、針を刺したあたりが気になり、浮ュて動き回る気にはなれなかった。夜半、恐る恐るトイレまでゆっくりと歩く。身体が少しこわばっていたが、出血はなく無事ベッドに戻れた。あの女医さん、腕は悪くないようだ。

予定通り、土曜日の午前中に退院し、そのまま出社して仕事の様子をみてから帰宅。さすがに数日は入浴できないので、大人しく週末を過ごした。検査の結果が出るのは、今月末である。

どんな結果となるかは分からないが、今は気にしない。しても無駄だし、その時はその時である。ただ、どんな結果になろうと減量は云われると覚悟している。どうやら体重を後13キロほど減らさねばならないらしい。

これこそが、今後の最大の問題だな。はてさて、どうしたものやら。

コメント (6)
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