ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ACL敗退に思うこと

2010-05-25 12:14:00 | スポーツ
或る意味、当然の結末かもしれない。

五月上旬に行われたアジア・チャンピオンズ・リーグの準々決勝でガンバ大阪と鹿島アントラーズが破れた。これで日本勢は全滅であり、二年連続でACL優勝を逃したわけだ。

まだ西アジアのチームとの試合が残っているが、昨年に続き今年も韓国のKリーグのチームが優勝する可能性は高い。ほんの三年前まで、ACLは3年連続Jリーグのチームが優勝していたことを思うと忸怩たる思いがある。

だが冷静に考えてみると、必然の結果に思えてきた。ここ数年、Jリーグの各チームは外国からの助っ人獲得にかける予算を削減し続けた。その結果、Jリーグに籍を置く外国人Jリーガーのレベルが低下した。

現在の外国人Jリーガーで現役の代表クラスは韓国と北朝鮮の選手以外では片手で数えて指があまる。またレベルは高いが年齢的に技量が低下している選手が多い。

好きな選手ではあるが、浦和レッズのポンテやガンバ大阪のルーカスなどは、以前に比べると年齢的な衰えが目立つ。更に目立つのは韓国のKリーグから獲得した外国人選手が増えていることだ。

韓国経済の低迷とウォン安により移籍金も安く済むのが理由だと思うが、Kリーグでの実績から評価しやすく獲得に走ったのだろう。しかし、結果的にJリーグのレベル低下につながった。

つまるところ、3年前までのACLでの日本チームの活躍は外国人選手の技量に支えられていたことが明らかになったと言って良いと思う。だからこそ、地力で勝る韓国人に押されてのACL敗退なのだ。

はっきり言えば、日本サッカー協会だけでなく、Jリーグの各チームの首脳陣も勘違いをしている。まだまだ日本人選手の技量は高くなく、到底世界の第一線には通じない。この認識がないからこその岡田代表監督であり、外国人選手の獲得を安く済ませてチームを弱体化させたわけだ。

私は南ア大会以後の日本のサッカーに対して悲観的だ。アテネ、北京世代の弱さは既に明らかだ。今回の南ア大会でさえ、主力といえる若手は本田と内田だけで、FWとDFは全滅だ。期待の森本(カターニャ)はレギュラーとは言いがたいし、GKの西川は代表落ちの様なのだ。

一体、この4年間日本サッカー協会はなにをしていたのか。他国の代表では20代前半の選手が目白押しであり、日本の若手がいかに育っていないかが良く分る。

この若手育成の失敗は、指導者たちにこそある。日本人コーチにこだわり、外国人コーチをリストラした結果がこの有様なのだ。選手以上に、日本人指導者たちは世界水準から遠い現実を直視しろと言いたい。

このままでは、南ア大会を最後に当分のあいだ、ワールドカップでの日本代表の姿を見ることは出来なくなるかもしれない。

この心配が杞憂で済めば良いと願う次第だが、当たる気もしている。新聞やTVのサッカー担当記者は、いい加減におべんちゃらを並べるのを止めて、堂々と批判記事を書いてみろ。記者個人レベルでは、私以上に心配している人たちがいることは私も知っている。ただ、それが記事にならない。(専門誌には時々出ます)

理由は分っている。取材拒否が怖いのだ。岡田監督がマスコミに対して過剰に防衛(逃げ腰)意識が強く、すぐに取材拒否することは有名だが、それは日本サッカー協会幹部も同様なのだ。

健全な批判なくして向上はない。

日本のサッカーは、協会幹部の生活安定や日本人指導者のための雇用促進のためにあるのではない。なにか、勘違いしているのではないかね?
コメント
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