ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

番線 久世番子

2010-05-19 12:11:00 | 
一日最低一回は本屋に足を運ぶ。

この習慣は十代の頃から延々と続いている。20代の長期入院の最中も、動けるようになって最初にしたことの一つが、病院を密かに抜け出して近所の本屋に行くことであった。

しかし、だからといって本屋の内情について詳しいわけではない。表題の「番線」という用語は、本屋さんの識別コードのことだという。まったく知らなかった。

これだけ本屋に通い詰め、大量の本を読み、また購入しているにもかかわらず、その本が如何に作られているかも知らない。そんな本屋や出版業界の事情を体当たりで取材した作品が表題の漫画です。

言葉だけは知っている「写植」とか、「校正」の実態。また日本で出版される書籍のほとんどを収容する国会図書館のレポートなどは実に楽しい。

でも、なによりおかしく、また共感せざる得なかったのは、本好きの人が皆、共通して持つ悩みについてだ。

やっぱり皆さん、本の置き場所には悩んでいるのですね。まったくもって他人事ではない。私の部屋の本棚は、既に本で溢れ、二段置きはもちろん、禁断のスライド部分にまで本が詰まっている。(スライド意味なし)

おまけに本棚はゆがみ、棚の一部は破損して応急処置で誤魔化している。それでも増える一方の本どもは、ついには床を占拠しはじめ、万年床の周囲は本の壁に覆われている。

でも、正直白状すると、床に積み重ねられた本に囲まれて眠るのは気持ちいい。なにせ、目を醒まして手を伸ばせば、そこに必ず本がある。地震がくれば大変なのは分っているが、この禁断の快楽を知ってしまうとなかなかに抜け出せない。

これは活字中毒患者の末期症状だと思うが、それでも憧れるのは部屋中、書棚が据付けられた家に住むこと。多分、皆さん共通の憧れだと思う。

この夢、叶うかな?
コメント (8)
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