ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ホワイトバンド

2006-03-29 12:33:07 | 社会・政治・一般
先週の雑誌「ニューズウィーク」は、なかなか興味深いものでした。私がかねてから胡散臭いと思っていたホワイトバンドを取り上げています。その内容は読んでいただくのが良いでしょう。

かつては南北問題と呼ばれ、現在は貧困の問題として捉えられているアフリカ、中南米の極端に貧しい人々の存在。以前から国連、ユネスコらが補助金をばら撒き、ミュージシャンらが義援金をまき散らかして、貧困問題の解決を願っていました。されど一向に状況は改善しません。

私に言わせれば、貧者への援助なんてアル中患者に酒の肴を渡すようなもんです。酒を渡すよりはましですが、それだけでしかない。

貧困を抱えている国々の大半は、かつてのヨーロッパ諸国の植民地でした。ヨーロッパによる侵略により、社会そのものを破壊され、伝統や文化、食習慣、宗教などを失った国々でもあるのです。社会を形作る枠組みそのものを失ったため、いくら援助を注ぎ込んでも溜まることなく、流れ出てしまうのです。

彼らが再び社会を再生するためには、彼等自身の自主的な社会建設のみが、彼らを救うのみ。いくら井戸を掘ってあげても、彼らはそれを使い尽くすだけ。自分で井戸を掘り、自ら井戸の管理をしなければ駄目なのです。

豊かな先進国の人間が、余ったお金を貧困の救済目的に支払ったところで、それは単なる自己満足にしかならないのです。ホワイトバンドを身につけるなんて、まさに自己満足そのものです。

日本を始めアジアの国々が貧困から抜けさせたのは、完全に植民地化されず、固有の社会基盤が残っていたからです。それでも旧来の社会制度のなかから抜け出せず、貧困に喘ぐ人々はまだまだいます。全ての人間が豊かになるなんて、有り得ない夢物語ですが、それでも夢を持てるだけの可能性を持った社会なら、現実的に実現可能なはずです。でも、ホワイトバンドじゃ役に立ちませんがね。
コメント (6)
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