ヌマンタの書斎

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弱いが強い

2024-07-08 09:38:58 | 社会・政治・一般

戦闘機のロールスロイス、そう呼ばれたのがアメリカのかつての主力戦闘機であるF15である。

なにせ初期の頃は、あまりに高額すぎて日本とサウジアラビアしか買えなかったほどだ。だが実戦での墜落は皆無で、その戦闘力の高さは有名だった。その後F15Eという対地攻撃力を大幅に向上させたタイプが登場してからは、多くの国で採用されている。

もっともアメリカ本国ではF22ラプターへと交替が進み、やがてはF35に代替されるはずであった。ところがその後、F15EXという改良機が発表された。ステルス性皆無のF15だが、このEXタイプは大量のミサイルを搭載した攻撃特化タイプであった。軽量な機体に大出力のエンジンをもつF15ならではの活用法であった。

私は最近までF15を名機だと思っていた。

ただF15には妙な話がいくつかあった。模擬戦闘においてF4ファントムに負けたという。ちなみにF4のパイロットはアメリカ空軍の指導教官パイロットであり、他にも渡米して研修中であった日本の航空自衛隊のパイロットに敗れたとの噂もあった。

正直疑わしい情報だと思っていたが、多分使い慣れた機体を駆使するベテランのパイロットたちの意地だろうくらいに考えていた。ところが最近になって、ようやく真相が分かってきた。

F15はアメリカ空軍の期待を一身に集めた機体ではあるが、実は構造上幾つかの問題を抱えていた。その一つは翼に前縁フラップがないことであった。高速戦闘に特化させたが故に低速域での格闘戦を軽視した結果であるが、そのせいで空戦性能は悪かったらしい。

またもう一つの問題がレーダーであった。巨大なエンジンを二基備えるF15は、構造上電子装備に十分なスペースをとれなかった。そのため正面レーダーでさえ180㎞程度の範囲でしかなく、対地レーダーともなると、更に低性能であった。これは同時代のライバル機であるF14に大幅に劣るだけでなく、フランスのミラージュやソ連のミグにも劣るものであった。

そのためアメリカ空軍は二つの対応策を実施した。一つは格闘戦に秀でたF16を帯同させることで、F15の弱点をカバーした。もう一つ、レーダーの探索範囲が狭いことは、空中早期警戒機P2やP3を上空に貼りつけ、常に最新の情報をF15に伝達することで、性能の低さをカバーさせた。

つまりアメリカ空軍の総合力でF15を主力戦闘機として活用し続けたわけだ。これはこれで凄いと思うが、だったら上記2点の欠陥がないF14を採用しておけよと思う。また他人事ではないのは、実は日本の航空自衛隊で使っているF15Jも、同じ欠点を持つが故に、米軍の早期警戒機及びF4ファントムとF16の改良機であるF2でカバーしていたそうだ。

ちなみに現在の航空自衛隊は、高額な空中早期警戒機を14機保有しているが、その存在価値は主力戦闘機F15Jの電子戦の弱さをカバーするためである。当然ではあるが、この総合的な運用方法は多額の費用を要する。その原資は我々の税金である。

日本はアメリカの軍事的従属国であるから、正直致し方ないとは思うが、今頃になってこの情報が出てくるところをみると、防衛省知っていたんじゃないのか?

ちなみに大西洋の東にあるブリテン諸島のアメリカの同盟国イギリスは当初から、このF15が抱える弱点を知っていたらしい。だからF15を購入せず、西側諸国と共同で戦闘機開発(トーネード)をしたようだ。

果たして日本がイギリス並みに独自に国防を考える日が来るのだろうか。嫌な予想だが、それはアメリカが日本を、つまり西太平洋を見捨てる日だと思っています。


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