ヌマンタの書斎

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金融商品取引法案

2006-03-12 13:02:16 | 経済・金融・税制
世界に冠たる貯蓄大国であるわが国が、貯蓄から投資への転換を方針に掲げて早5年。異例とも言える0金利の影響もあり、1400兆円と言われる預貯金から株式市場へ相当な資金が流れたようです。

反面、平成電電やライブドアに見られるように、投資家が被害を受けるケースも散見されるようになりました。そこで政府は今国会において「金融商品取引法案」を提出して、更なる投資環境の整備を図るようです。

その基本的な方向性は正しいと思います。ただ、私が気に食わないのが、「商品先物取引」に対する規制が今回も見送られたことです。その理由が毎度おなじみの、監督官庁の縄張り争いだというから頭に来ます。

私は商品先物取引自体の重要性は分かっているつもりですが、あれは本来リスクヘッジのためにあるべきもの。それを逆用して、ハイリスク・ハイリターンを狙う金融商品と化していますが、実際は投資というより投機に近いものでしょう。とても一般消費者向けの金融商品ではないはず。株式市場で信用取引の経験が十分にある人でも、大やけどする可能性を持った極めてリスクの高いものです。とてもじゃないが、一般の消費者、特に高齢者向けのものではない。

にもかかわらず、実際に商品先物取引で大損をして困窮しているのは、退職金をつぎ込んだ高齢者などの素人投資家。さればこそ、今回の法案で規制をかけるべきだったのに、役人の縄張り争いで先送りされるとは、なんたる情けなさ。

本末転唐ニは、まさにこの事です。お坊ちゃん議員のお間抜けぶりに大騒ぎするより他に、もっと真剣に時間をかけて議論することは沢山あるはずです。いつもながらですが、国会の空騒ぎぶりにはうんざりしますね。
コメント (1)
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