曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

坂本龍一のマニアックな推し曲(ソロ編)

2023-04-07 19:19:00 | その他



予告通り、お勧めの坂本龍一関連曲ソロ編。

と言っても、僕は坂本龍一の熱心なファンではない。僕にとっての音楽的師匠は細野晴臣であり、坂本龍一は師匠の仲間という立ち位置。

それでも、坂本龍一のライブは、武道館やオーチャードホールなど4、5回行った。という程度には好きである。

僕にとっての彼のピークは「Heartbeat」までなので、選曲も前半に偏っている。後半は無謀にも歌に目覚めたり、ピアノとストリングスだけとか、実験的過ぎるのとか、本当にポップスのアルバムなのか?という作品ばかりになり、義理で買ってる感じだった。

Riot in Lagos(B-2 UNIT)
YMOの第二次ワールドツアーとかで一曲目に演奏されていたため、聴くと「YMO参上!」という気分になる。ビートルズは楽譜を読めなかったそうなので、良い曲を書くのに音楽理論は不要なのかもしれないが、明らかに理論を分かって作ってると思わせるのが坂本龍一だった。これはその時代の代表曲。

Self Portrait(音楽図鑑)
誰が聴いても気分が明るくなるいい曲。美しい曲にするには、このコードをこの順で並べるのだ、というふうに作られているように思える。隙がない。ドラムスが幸宏なのもポイント。

旅の極北(音楽図鑑)
難しいコード進行から一瞬親しみやすいメジャーコードになったりして、気難しいけどときどき可愛い曲。展開もドラマチック。

Ballet Mecanique(未来派野郎)
教授にはよくある、自分の曲なのにメインボーカルが他人という、ファン以外の一般人には理解し難い曲。前半の英語詞部分をバーナード・ファウラーが、後半の日本語を教授が歌っている。その日本語が普遍的かつ前向きな内容で、シングル用というか代表曲的。

Neo Geo(Neo Geo)
ロックのリズム、ある程度の打ち込み感、沖縄女子の琉球音階という、いろんな地域の文化をぶち込みました的な曲。タイトルは「新しい地形」という意味だと本人が当時言ってた。カチっとしたアルバムは同タイトルのが最後で、以降は妙なパリピ感というか変にグルーヴ志向になって、持ち味の理屈っぽさが薄れていく。

1900(Playing the Orchestra)
教授の曲ではない。エンニオ・モリコーネ作曲。でも教授のピアノだと人生を俯瞰したような、辛いこともあった、悲しいこともあった、嬉しいこともあった、的な雰囲気になるからやっぱりすごい。

Aqua(/5)
前述の1900みたいなピアノ曲はないのか本人ので、と探したら、まあこれかな。エナジーフローはそんなに好きじゃないんだよね。確か美雨さんのために作った曲で、娘を愛しむ感じが出てるわね。

フォトムジーク
NHK FMサウンドストリート内で作られた曲。長い間CD化されず、稀にラジオでかかった時に聴けるレア曲だった。僕は確かサエキけんぞうのラジオで録音に成功した。暗い未来を暗示しているような曲調だけど希望もある。僕の中では殿堂入り曲で、カバーもした。

NEC C-Life(CM/TV)
NECのキャンペーンのテーマ曲。テレビCMで聴いて衝撃を受け、テレビから録音した記憶がある。当然、15秒とか30秒しか録音できてなかった。フルサイズがCD化した時は、すでに存在を忘れていたが、パソコン黎明期の雰囲気が蘇ってきて懐かしかった。

FADE(オネアミスの翼サウンドトラック)
戦メリも最後の皇帝もスルーして、映画からはこれ。定期的にコードを押さえるだけの4小節ループのOP曲に、ベースを加えたED曲。ベースがメロディになっちゃってもいいんだ。シロツグの「この放送を聴いている人、いますか。私は人類初の宇宙飛行士です…」から人類の歴史を挟んでこの曲に繋がる流れが素晴らしい。「ドラマ版」のこの曲はちょっと音が増えてるので、演説も聞けるし、そちらも是非。

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坂本龍一のマニアックな推し曲(YMO編)

2023-04-06 12:49:00 | その他



ここではほとんど書いたことがないが、僕の音楽は、聴くのも作るのもYMOに多大な影響を受けている。

訃報以来、毎日何かしらの坂本龍一関連ニュースがYahooに上がっている。意外だ。ファンなので、逆に不思議な感じがする。そんなにみんな教授のこと好きだったんだ。

一方、教授のニュースなのに高橋幸宏作曲のライディーンを流されてガッカリ、みたいな記事もあった。知らない人は知らないということか。

そんなわけで(どんなわけ?)、YMOファン歴ウン十年の僕が推薦する坂本龍一関連作品の紹介などしてみる。読めば、友人と坂本龍一関係の話になった時に、こいつニワカじゃないなと思われるようなことを言えるかもしれない。

東風(Public Pressure)
滑らかに疾走するアジアの熱風。「トンプー」と読みます。まあ代表曲の一つです。アルバム「イエローマジックオーケストラ」のオリジナルではなく、第一次ワールドツアー時のこれを推します。2:17からのテッテレッテ…のディレイが好き。

The End of Asia(Public Pressure)
東風を聴いたら次のこれも続けて聴きましょう。スタジオで一部差し替えてるとはいえ、演奏上手いです。特に幸宏のドラムがキレッキレです。作曲は教授です。自動演奏をポップスにどう組み込むかを世界に教えたYMOですが、三人ともプレイヤーとして超一流だったことも、大ヒットした要因だと僕は考えています。ちなみに、この音源は全部人力で演奏しているらしいです。

MUSIC PLANS(Winter Live 81)
最大のヒット作「SSS」を飛ばしてこれを。テクノポリスとかビハインドザマスクもいいけど、それじゃ面白くないんで。81年の国内ツアー最終日のこれは映像もあるので、併せてどうぞ。ディストーションかませた教授の激しいキーボードソロが聴けます。

千のナイフ(BGM)
教場のソロのでも、第二次ワールドツアーのでも、その後の武道館のでもなくこれを。YMOの最高傑作とされる「BGM」は、細野晴臣主導で制作され、教授色が薄いと言われているが、A面最後のこの曲はオリジナルよりアグレッシブかつ理知的でオススメ。このアレンジでのライブはない、というのがYMO豆知識の一つなので覚えていおいてください。

Light in Darkness(Technodelic)
クレジットは幸宏との共作だし、聴きどころは細野の天才的ベースプレイだけど、敢えての選出。点描のように置かれる和音が教授っぽいんだよなあ。「テクノデリック」は教授主導のアルバムなので、YMOで教授っぽさに浸りたかったら、アルバム全体を聴いてみるといいかも。

Wild Ambitions(浮気なぼくら)
マニアには、いきなりそれかいと思われそうなセレクトだが、ちゃんと理由もありますよ。坂本=高橋、細野=高橋の共作、三人の共作はたくさんあるけど、坂本=細野の共作は、正式にはこれ一つしかないのだ。細野の哲学的な詞、幸宏のボーカル、そして教授の晴れやかなエレピが合わさって、小倉エージ氏に「YMOのレットイットビー」と言わしめた名曲である。

Perspective(Service)
歌がそんなに上手くない教授のボーカル曲では、ソロも含めて、多分一番いい。詩の内容から、僕はいつもビートルズの「A Day in the Life」を連想する。出だしのピアノから、もう教授の世界なので、涙しながら聴いてください。

邂逅(After Service)
これも教授ボーカル曲。インスト部分が長くて歌が少ない。このくらいがちょうどいい。彼はあんまり歌わせてもアレなんで。でも歌詞は意味深で、YMO散開を暗示してるとも言われた。オリジナルではなく、敢えてこの最後の国内ツアーのを。今はイーノがリマスタリングした「Complete Service」というのもあります。曲が多いです。

ふう。長くなったので、ソロ編はまた後日。

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