予告通り、お勧めの坂本龍一関連曲ソロ編。
と言っても、僕は坂本龍一の熱心なファンではない。僕にとっての音楽的師匠は細野晴臣であり、坂本龍一は師匠の仲間という立ち位置。
それでも、坂本龍一のライブは、武道館やオーチャードホールなど4、5回行った。という程度には好きである。
僕にとっての彼のピークは「Heartbeat」までなので、選曲も前半に偏っている。後半は無謀にも歌に目覚めたり、ピアノとストリングスだけとか、実験的過ぎるのとか、本当にポップスのアルバムなのか?という作品ばかりになり、義理で買ってる感じだった。
Riot in Lagos(B-2 UNIT)
YMOの第二次ワールドツアーとかで一曲目に演奏されていたため、聴くと「YMO参上!」という気分になる。ビートルズは楽譜を読めなかったそうなので、良い曲を書くのに音楽理論は不要なのかもしれないが、明らかに理論を分かって作ってると思わせるのが坂本龍一だった。これはその時代の代表曲。
Self Portrait(音楽図鑑)
誰が聴いても気分が明るくなるいい曲。美しい曲にするには、このコードをこの順で並べるのだ、というふうに作られているように思える。隙がない。ドラムスが幸宏なのもポイント。
旅の極北(音楽図鑑)
難しいコード進行から一瞬親しみやすいメジャーコードになったりして、気難しいけどときどき可愛い曲。展開もドラマチック。
Ballet Mecanique(未来派野郎)
教授にはよくある、自分の曲なのにメインボーカルが他人という、ファン以外の一般人には理解し難い曲。前半の英語詞部分をバーナード・ファウラーが、後半の日本語を教授が歌っている。その日本語が普遍的かつ前向きな内容で、シングル用というか代表曲的。
Neo Geo(Neo Geo)
ロックのリズム、ある程度の打ち込み感、沖縄女子の琉球音階という、いろんな地域の文化をぶち込みました的な曲。タイトルは「新しい地形」という意味だと本人が当時言ってた。カチっとしたアルバムは同タイトルのが最後で、以降は妙なパリピ感というか変にグルーヴ志向になって、持ち味の理屈っぽさが薄れていく。
1900(Playing the Orchestra)
教授の曲ではない。エンニオ・モリコーネ作曲。でも教授のピアノだと人生を俯瞰したような、辛いこともあった、悲しいこともあった、嬉しいこともあった、的な雰囲気になるからやっぱりすごい。
Aqua(/5)
前述の1900みたいなピアノ曲はないのか本人ので、と探したら、まあこれかな。エナジーフローはそんなに好きじゃないんだよね。確か美雨さんのために作った曲で、娘を愛しむ感じが出てるわね。
フォトムジーク
NHK FMサウンドストリート内で作られた曲。長い間CD化されず、稀にラジオでかかった時に聴けるレア曲だった。僕は確かサエキけんぞうのラジオで録音に成功した。暗い未来を暗示しているような曲調だけど希望もある。僕の中では殿堂入り曲で、カバーもした。
NEC C-Life(CM/TV)
NECのキャンペーンのテーマ曲。テレビCMで聴いて衝撃を受け、テレビから録音した記憶がある。当然、15秒とか30秒しか録音できてなかった。フルサイズがCD化した時は、すでに存在を忘れていたが、パソコン黎明期の雰囲気が蘇ってきて懐かしかった。
FADE(オネアミスの翼サウンドトラック)
戦メリも最後の皇帝もスルーして、映画からはこれ。定期的にコードを押さえるだけの4小節ループのOP曲に、ベースを加えたED曲。ベースがメロディになっちゃってもいいんだ。シロツグの「この放送を聴いている人、いますか。私は人類初の宇宙飛行士です…」から人類の歴史を挟んでこの曲に繋がる流れが素晴らしい。「ドラマ版」のこの曲はちょっと音が増えてるので、演説も聞けるし、そちらも是非。