曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「ウマ娘プリティダービー」各ウマ娘の感想

2021-04-01 16:24:15 | テレビ・映画
「ウマ娘プリティダービー」のアニメ版を一応全部見た。ゲームはまだ手を出していない。


「ウマ娘」に登場するモデル馬は、意外に昔のが多い。特にアニメ2期は主人公がトウカイテイオーで、一緒に走るウマ娘たちも90年代前半の競走馬がモデルになっている。第38回有馬記念の記事で書いたとおり、僕が最も好きだった馬はトウカイテイオーである。90年代前半は、僕が一番競馬を見て、賭けていた時期である。

これは書かねばなるまい。

リアルタイムで見たモデル馬の話と、各ウマ娘の感想を。


■スペシャルウィーク

武豊に初めてダービーを獲らせた馬。僕は当時、東京競馬場から歩いて5分の所に住んでいた。毎週のように競馬場に足を運んでいた。あのダービーも生で見ている。

でも古馬になってからは、ちゃんと見てないんだよなあ。武が「ズブくなって、危機感を煽ってやらないと真剣に走らなくなった」と嘆いてたことだけ覚えてる。

1期冒頭の東京競馬場東門のあたりの描写が懐かしかった。あれはかなり再現度が高い。東府中駅は立て直したので、僕が住んでいた時のとは全然違う。

石川由衣と野中藍がやってた「ラジオOS」のアシスタントだった和氣あず未が声を演じている。あずみーあのころは学生だったのに。出世したなあ。

■エルコンドルパサー

東京にも雪が降ったある日、北海道から競馬大好きな友人が遊びに来た。東京競馬場に連れて行った。メインは共同通信杯だった。本命はイシノサンデーかねえ、という雰囲気だったが、雪でダート変更になり、よくわからん外国馬が勝った。それがエルコンドルパサーだった。

強いことは強いんだけど、何が持ち味なのかいまいち把握できない馬だった。物凄く末脚が切れるでもなく、スタミナがあるかと思ったらマイルで勝ったりして。鞍上が得意技がはっきりしない蝦名正なのも、それに拍車をかけた。

ウマ娘のほうは、イメージ通りかな。ただ、当時は外国産馬はダービーに出れなかったので、スペちゃんと同着1位なのは「ん?」と思った。ifなのは分かるが、スペのダービー制覇は大事に扱ってやれよ、と。

■サイレンススズカ

ゲートで暴れたり出遅れたり、スタートからカッとんで自滅したりする狂気の馬だと思ってた。隣の馬に噛み付いた逸話を持つサンデーサイレンス産駒の悪い例、みたいな。馬券的には危なっかしくて買えない。

それが武豊が乗るようになってから大逃げが安定してきた。最初から最後まであのスピードで逃げられたら、負かしようがない。秋の天皇賞はどんな圧勝をするのか、と思ったらあの悲劇。リアルタイムで見てたよ…テレビでだけど…。

ウマ娘のほうは、過大評価しすぎかなあ。でもスタッフにファンがいるんだろうね。すごく愛されてる感じがする。今Wikiとか見ると、意外におとなしい馬だったようだけど、当時はほんとにやべえ馬ってイメージだったんだぜ?

■ライスシャワー

1993年春の天皇賞はテレビで見た。パドックでライスシャワーが紫色に見えた。黒鹿毛なのに。馬体から紫色の炎が立ち上っているのが見えた。淡々と回ってるのに、これはとんでもない気合いだと思った。とても草食動物には見えなかった。パドックで勝つ馬が分かったのが生涯で2回あるのだが、その1回目があの春天のライスだった。解説の吉田均が「ライスシャワーの目がときどきギラつくのが気になりますね」と言ってたのを今でも覚えている。

「艦これ」や「刀剣乱舞」とは違い、ウマ娘は本来性別のあるものを無理やり美少女化したわけで、はあ?と最初は思ってた。だが、ライスが上述の僕の印象通りに紫の妖気をまとってるのを見て、これはあり、と思った。

■ミホノブルボン

テイオーと並んで堺正幸アナと相性がいい馬だった(というか当時の関東G1は基本的に堺アナだった)。皐月賞の実況「強いぞ強いぞ強いぞ!」は再現されたが、ダービーの「おそらく勝てるだろう!もう大丈夫だぞ!」がなかったのが残念。

体育会系なイメージなんだが、ウマ娘は静かな子だった。大柄なのが前肢のすごい筋肉を表してるんだろうか。でも馬はきれいな流星あるのにメッシュ入ってないよね。なんで?

■メジロマックイーン

90年代前半の古馬最強って感じだった。安定感抜群。スタミナに柔軟性があるというか、ただ重たいだけのステイヤーではないというか。武豊は安田記念に出ても勝てるといってた。

MT対決でテイオーの追い切りを終えた岡部が「この脚は地の果てまで伸びていくようだ」と評したのに対抗して、武豊が「あっちが地の果てなら、こっちは天まで上りますよ」と語ったのが再現されてた。

性格的にはのんびりしたやつなんだろうなと思ってたが、おぼっちゃんではなかった。メジロアサマ・メジロティターンから続くメジロの3200メートル天皇賞の系譜だが、決して良血ではない。なので、ウマ娘のお嬢様キャラは、うーん、まあいいやって感じ。表彰式で何度か姿をお見かけしたミヤ婆こと北野ミヤオーナーが登場して、そこまで再現するかと感心した。

■メジロパーマー

とにかく頭が高いフォームが特徴。重心が高いので、本当はよくないんだと思うけど、パーマーはその姿勢で2つのグランプリを逃げ切った。馬場と展開がはまれば二枚腰を使うんだよなあ。マックとパーマーが揃ってた頃は、メジロ黄金期って感じだった。

その頭の高い走法が、ウマ娘でも忠実に再現されてる。キャラとしてはそんなに話に絡んでこないけど、あの走り方を見るたびに、そうそうそれそれ、と嬉しくなった。あと流星の再現度が高い。

■タマモクロス

小柄に描かれてるが、小柄というより体が薄かったんだよ。ライスはほんとに小柄だったけど、タマモクロスはそうでもない。関西弁はともかく、性格的にはもうちょっとおとなしかったような。

■オグリキャップ

スペちゃんたちがご飯食べてるとき、いつも背後でご飯食べてる。確かにカイ食いがいい馬だったらしいが。あの中では根性ダントツなのに、その気配が感じられない。漫画でやってる「シンデレラグレイ」を見ればいいのかな。

■シンボリルドルフ

僕の競馬に関する記憶で一番古いのは、子供のころNHKニュースで見たルドルフの引退式である。レースしてるのはさすがにリアルタイムで見てない。

性格的にはあれでいいと思うけど、流星は言われないとわからないような小さなやつなので、テイオーみたいなシャーッと入ったメッシュはどうなのかと。

■ツインターボ

僕が一番好きな馬はトウカイテイオーだが、最も好きな牝馬はシスタートウショウだった。そのシスターの復帰戦、オールカマーを見に中山競馬場に行った。春天でメジロマックイーンを破ったライスシャワーが大本命だったが、僕はシスターから買った。

僕はシスターがあのオールカマーで引退するほど脚部を痛めたのは、ツインターボの大逃げを無理に追いかけたからだと思っている。なのでツインターボはあまり好きな馬ではなかった。

でもああいう大逃げって、一部に熱狂的に好まれるんだよなあ。サイレンススズカもそうだし。

ウマ娘としては、まさにああいう感じでいいと思う。中舘騎手にどう思うか聞いてみたい

ちなみにアニメでは割と流されてたが、あのオールカマーはライスシャワーの不甲斐なさが、かなり批判された。あれ以降ライスは勝てなくなり、ヒールですらなくなる。そして7歳の春天。差せなくなってるなら先行して粘るしかないと、3角で早くも仕掛けたライスが先頭で直線に入った時、僕は熱くなった。強い誰かを倒すために走ってきたライスが、今初めて自分のために走っている、と。追い込んできたステージチャンプと並んでゴールした時、ライスはヒールからベビーフェイスになった。

最後はライスの話になっちゃったけど、これだけはウマ娘から入った人にも伝えたいので書きました。ライスは最後は主人公だったよ。

■トウカイテイオー

最初は「これがテイオー?!」と思った。なぜボクっ娘なのか。標準馬体重474キロのどこが小柄なのか。もうちょっとスマートというか、馬はプリンスって感じだったから、ウマ娘だとプリンセスっぽくすべきと思うんだけど。

それでも見続けてるうちに可愛く思えてくるから、こういうコンテンツは危険なんだよなあ。2期は急に史実忠実路線に走り出して、馬で味わったことを美少女でもう一度味わうという謎の体験をしてしまった。

ジャパンカップの勝利がないのは、あの辺はストーリーを下げたままにしておかないといけなかったんだろうね。有馬記念での奇跡の復活を劇的にするためには。

史実では、出たり休んだり出たり休んだりで、テイオーについては見るほうも長期休養に慣れてた。1年くらい消息不明の馬なんて普通なので、アニメのように長い雌伏の時期の辛さは、ファンにはそこまでないのが現実だ。

だが、あれを美少女に、というか人間に置き換えると、1年間レースに出られない、走れないというのは、本当に辛いことなんだなあと、当たり前のことを思った。

アニメのおかげで、テイオーステップという言葉を思い出したよ。古馬になってからはあんまり言われなかった(あんまり表舞台に現れなかった)から、忘れてた。

■おまけ ゴールドシップ

実は知らない馬である。もちろん名前は知ってたけど、あんなに面白いやつだとは知らなかった。めちゃくちゃ出遅れたりして。

アニメ見てて、社台系、サンデーレーシング系は許可下りなかったんだな、と察してたんだけど、ゴールドシップって社台っぽいのに違うんだね。社台系が出てこないのも、ウマ娘に好感を抱く理由の一つだったりする。僕はサンデーサイレンスのせいで競馬はつまらなくなったと思っているので、サンデー産駒の主力が出てこない話は楽しめるわけです。まあ、テイオーのいない菊花賞を勝ったのがレオダーバンじゃなくレオニタールといわれたときは、若干興ざめしたけどね。

 


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