シーズン終盤からクライマックスシリーズまで、スワローズ打線は不調が続いていた。スポット的にバレンティンが猛打賞したり、山田が3ラン打ったりもしたが、基本的にはずっと低調だった。なので、先発投手の立ち上がりを何とか捉えて2~3点先制し、あとは投手陣がピンチを凌ぎまくる。というパターンで連敗せずに勝ってきた。不安定な立ち上がりしか打てないほど打線が不調だともいえる。
だから、今日の勝敗の分岐点は、初回の上田の盗塁失敗である。経験豊富といわれる昨年の覇者ホークスにあって、バンデンハークは日本シリーズ未経験。緊張からか、制球が不安定だった(現に上田は簡単にジャストミートし、川端は13球もカットで粘った)。スワローズとしては、この試合唯一の攻めどころだったのに、開始からたった3球で勝敗は決した。もう後は交通事故の一発が飛び出すしか点を取る方法がなかったのだが、尻上がりに調子を上げたバンデンハークの前に、結局最後まで事故は起こらなかった。
敗因というわけではないのだが、6回表の中村悠平のセンターオーバーの大飛球を柳田が背走してジャンピングキャッチしたのは心理的なダメージが大きかった。昨日も今日も、能力的にはそれほど差はなく、ホークスは投打ともに本拠地でのびのびプレイして割増しなだけだと(自分を鼓舞する意味も含めて)思ってきたのだが、あのキャッチで初めて「どうにもならない実力差があるかも」と思った。冷静に見直せば普通の捕球で、上田でも獲るとは思うのだが、完ぺきに捉えたのに、あれが抜けないのか、というダメージはファンだけでなくベンチにもあったのではなかろうか。
あと、捕手だけは自信を持って勝っていると言えると思っていたが、軽視していた高谷がリードに盗塁刺殺にフルスイングスクイズにと、活躍されてしまっているのも、セパの実力差かなと思うところだ。あの捕手が正捕手じゃないんだぜ?
僕は福岡では1つ勝てばいいと思っていたのだが、これで神宮は3つとも勝たなくてはならなくなった。宮本慎也も言っていたが、神宮では武田翔、バンデンハーク以上の先発投手が出てこないはず。でもリリーフはスワローズ以上に強力だから、2回までに先制してほしい。先制してください。