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森羅万象 ~ 歩く印象派

言葉、声、歌ずっと生きている 清志郎さん葬儀弔辞全文(2)大竹しのぶ

2009年05月10日 06時58分13秒 | Rock 音故知新
◆俳優・大竹しのぶさんの弔辞<全文>

 清志郎さん、今日、晴れたよ。たくさんの人たちが朝早くから並んで待っています。あの武道館の日みたいに、ゆうべも空を見ながら清志郎さんのことを思いました。今ここでこんな風にあなたとお話をする日が来るなんて、夢にも思っていませんでした。今頃はきっとつくばの町を自転車で走っているか、完全復活完全版の夏のフェスのリハーサルがそろそろ始まる時期なので忙しくなっているはずでした。そう約束していましたよね。

 去年の2月、たくさんの、ほんとうにたくさんの人たちがあなたの復活を喜び感動し、夢はかなうものだと教えてもらいました。そして7月、あなたの病気の再発がわかった夜、私はゆうべのように空を見ながら、どうぞ一日も早く病気が治りますように、がんなんてどっかにいってしまいますようにとお祈りしました。そのとき、ああ今こうしてたくさんのファンの人たちが私と同じように清志郎さんにすごいパワーを送っているんだなということを感じました。「清志郎、がんばれ」「清志郎、絶対戻ってこい」って、あなたが言った「夢を忘れず」にという言葉と一緒に。だから絶対治ると信じることができました。そのことをあなたに言ったら、あなたからの返信は「ラブ ラブ ラブ」でしたね。「みんなの愛にこたえてちゃんと元気になるから、全然大丈夫だよ。心配しないで待っててね」という力強いものでした。

 そしてこの5月、あなたにもう二度と会えないとわかったとき、たくさんの人が大きなとてつもなく大きな悲しみに包まれました。でもそれと同時に、あなたの歌に、言葉に、音楽に、再び命が注ぎ込まれて私たちの心にずっと生き続けることを確認できた夜になりました。あなたを大好きな音楽の仲間たちの手によって、あなたがずっと言っていた愛と平和な世界が一日も早くくるように、これからもリードしていってください。

 療養中も「何もすることがないから明るく引きこもってるんだ。でも結構楽しいです」というメールをもらいました。大好きなご家族と優しい時間を過ごすことができてよかったね。これからもいつも竜平君、百(もも)ちゃんを見守ってください。昨日、私の友人の勘三郎さんとあなたの話をしました。彼は「僕はあの人に会わなくてよかったと思う」と言っていました。「会っていたら、悲しくてやりきれないから。そのぐらいきっとすてきな人だと思うから」と言っていました。本当にその通りです。私なんかよりももっともっと身近にいた人、私なんかよりもっともっとあなたを愛していた人たちの悲しみを思うと言葉もありませんが、でもやっぱり私はあなたに会えてよかったです。あなたのファンになって本当によかったと思っています。

 ときどき空の上から「愛しあってるかい」って問いかけて下さい。「OK、ベイビー、最高だぜ」って答えられるように、あなたのように強く、優しく、明るく、楽しく生きていきます。清志郎さん、本当にお疲れ様でした。そして本当に本当にありがとう。


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