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コンビニ、下り坂くっきり 店は増えても客の出費減る

2010年01月21日 12時27分25秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2010年1月21日7時54分朝日COM

 コンビニエンスストア業界の苦境が際だってきた。スーパーなどとの間で低価格競争が強まり、客1人あたりの購入金額は、昨年12月まで13カ月連続で前年同月を下回っている。歯止めをかけようと、逆に「高級商品」を打ち出す動きも目立っている。

 日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した全国のコンビニ11社の2009年の売上高(全店ベース)は、前年比0.6%増の7兆9043億円とほぼ横ばい。特徴的なのが年後半の落ち込みだ。前半は「タスポ」カードがなくてもたばこが買えることもあって来店客や売上高は増えたが、7月以降の客数は伸び悩み、売上高は毎月、前年を下回っている。

 タスポ効果が薄れた以上に各社が問題視するのが、客1人あたりの購入金額だ。09年は前年比2.2%減の平均578.4円。下落幅は00年と並んで過去最悪だ。「200円台の牛丼」や、スーパーの格安弁当に対抗し、利益率が比較的高い弁当や飲み物で低価格化を進めたことが響いた。

 コンビニの売上高はそもそも、閉店や新店の影響を除いた既存店ベースでは07年まで8年連続で下がり、来店客数も減る傾向にあった。それでも各社は店を増やし、全体では売上高と客数を伸ばしてきた。09年も店舗数は増やして4万2千店を突破。ところが全店ベースの客数は7月と10~12月に前年同月の実績を下回っている。統計がある99年以降で前年割れの月が4カ月もあったのは初めてだ。

 低価格競争に歯止めをかけ、新たな客をつかもうとする動きも出てきた。弁当の場合、これまでは300~400円台が主流だったが、大手各社は相次いで500円台の高級志向の弁当を開発。サークルKサンクスは昨年11月に出した「豚丼」(税込み550円)を4週間で約40万個売った。今月14日には同じ価格で「炭火焼き焼鳥丼」を発売した。

 セブン―イレブンも、タレントが監修した548円のハンバーグ弁当を昨年12月から売り出し、「好評を得た」(広報)という。ただ、業界には「低価格化を止めることは不可欠だが、財布のひもはますますかたくなっている。高級志向といっても、タイミングや売り方をかなり工夫する必要がある」(大手コンビニ幹部)との声もある。(内藤尚志)


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