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森羅万象 ~ 歩く印象派

石川議員聴取、録音の全容判明 検事、脅しまがいの発言 「全面否認なら徹底的にやってやる」

2011年01月20日 02時52分26秒 | 歩く印象派
2011/1/18 2:05日経

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、元秘書の衆院議員、石川知裕被告(37)=同法違反罪で起訴=が録音していた起訴後の任意での再聴取の全容が17日、関係者の話で明らかになった。検事は「今さら供述を変えるなんて堂々巡りだ」と検察側の意に沿う供述を押しつけようとしたほか、「全面否認なら徹底的にやってやる」と脅しまがいの発言もしていたという。

 「もし全面否認するなら、徹底的にやってやろうじゃないかとみんな言っている」(検事)

 関係者によると、昨年5月17日に行われた石川議員の再聴取は冒頭、東京地検特捜部の男性検事(43)のこうした発言で始まった。

 検事は、虚偽記入への関与を認めた起訴前の供述を維持するよう再三要求。「小沢さんと特捜は利害が一致している」と迫る場面も記録されているという。

 石川議員が「(小沢氏からの借入金4億円を)隠そうとしたことはないから供述を変えさせてほしい」と訴えると、「今更そんなこと言っても堂々巡りだ」と耳を貸さず、石川議員自身が受領した献金にも言及し「(別件で)いつでもやれるんだぞ」と脅しともとれる発言もあった。

 検察側が虚偽記入の動機として公判で立証を目指す中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県)からの資金提供を巡るやり取りもあったが、検事が「私は、石川さんが水谷からもらっていないと信用しているが、(上司は)みんな信用していない」と漏らした場面もあった。

 石川議員を巡っては17日までに、同議員が昨年1月の逮捕以降、起訴前日の2月3日までに計7通の手紙を弁護人に送ったことも判明。1通目(1月28日付)では「昔のことでよく覚えていないのに、真実でない調書に同意してしまった」、3通目(2月1日付)では「検事から『水谷からのカネを運んだだけだから認めてしまえ』としつこく言われた。もらっていない」と記していた。

 「悪意を持った筋書きが作られ、残念」(2月2日付)など苦悩する様子もあり、弁護側は手紙数通も証拠申請し「(起訴内容を認めた)調書は任意性や信用性を欠いている」と主張。録音記録と合わせて取り調べの違法性を主張する方針だ。

 検察側は、東京地裁が録音記録を石川議員の公判で証拠採用すれば、検事の証人尋問を申請し反証する方針とみられる。