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森羅万象 ~ 歩く印象派

演出家の和田勉さん死去 80歳

2011年01月18日 12時37分51秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2011年1月18日9時57分

 テレビドラマ「天城越え」「阿修羅のごとく」「心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)」などで知られる演出家の和田勉(わだ・べん)さんが14日、食道上皮がんのため川崎市内の老人福祉施設で死去した。80歳だった。近親者で密葬を営んだ。後日、「お別れの会」を開く予定。喪主は妻で衣装デザイナーのワダエミ(本名和田恵美子〈わだ・えみこ〉)さん。

 1930年、三重県生まれ。テレビ放送が始まった53年にNHKに入局。一貫してドラマ演出に携わり、女優の魅力を引き出す力量が高く評価された。57年の「石の庭」から立て続けに芸術祭奨励賞を受け「芸術祭男」の異名をとった。「天城越え」(78年)「心中宵庚申」(84年)は芸術祭大賞を受賞。代表作はほかに「ザ・商社」「けものみち」など。

 87年にNHKを退職してフリーに。映画も「ハリマオ」(89年)、新藤兼人脚本の「完全なる飼育」(99年)を監督した。民放のバラエティー番組にも出演し、バイタリティーあふれる「ガハハのおじさん」と親しまれた。94年に俳優養成学校を開校。テレビ界に積極的に発言を続けた。著書に「女優誕生」「すこぶるテレビ」など。

 妻のワダエミさんは、映画「乱」で米アカデミー賞最優秀衣装デザイン賞などを受賞した。