映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

なぜ時代劇は滅びるのか

2014-10-09 | 
 

子どもの頃はよく時代劇を見ました。
一番古い記憶は「てなもんや三度笠」でしょうか?
NHKの大河ドラマに「銭形平次」「清水の次郎長」「人形佐七捕物帳」「鞍馬天狗」「一心太助」
「座頭市」「柳生一族」「大奥」「大岡越前」「遠山の金さん」「水戸黄門」「必殺シリーズ」
「木枯らし紋次郎」「子連れ狼」「天下御免」「影の軍団」「暴れん坊将軍」「鬼平犯科帳」
子供向けの「仮面の忍者 赤影」、人形劇の「南総里見八犬伝」アニメ「忍たま乱太郎」などなど、
ざっと思い出すだけでもこんなに沢山。実際はもっと沢山、日常的に視聴していました。


時代劇を見ることで、難しい言葉や礼儀正しい言葉を学び、
勧善懲悪のストーリーや武士の生き方から儒教の「仁・義・礼・智・信」の概念を知り、
町人の生活から義理や人情を肌で感じ善悪の判断基準とし、
登場する地名も沢山覚えました。
学ぶというより、ストーリーを楽しむ中で自然に身に付けたのでした。
当時、毎日どこかの局で時代劇を見るということが日常化していました。

関東地区に住むようになり、馬喰町、神田明神、八丁堀、小伝馬町に人形町などの地名を
耳にしたり路線図で目にする度に、時代劇で馴染んだ名前だ~っと胸が躍りました。

いつから時代劇を見なくなったのかしら?
子供の頃から毎年見ていた大河ドラマもいつから見なくなったのか?
そういえば…見なくなったねぇ~。という程度の意識しかなかったのですが、
時代劇の番組自体が激減し、放送されていたのは同じパターンの枠組みを
繰り返すシリーズものばかりで、見なくなってしまったように思います。

この本では、時代劇製作現場でどのような変遷を経て時代劇番組が減ってしまったのか?
その結果どういうことが起こっているのかを丁寧に検証しておられます。
現在、大河ドラマをはじめ時代劇を継続的に製作しているNHKについても、
かなり辛口にバッサリとで斬っておられます。
そこには筆者である春日太一氏の、何とかしなくては!っという時代劇への
溢れんばかりの愛が感じられます。

時代劇ファンの方、
私のように、どうして時代劇が衰退してしまったのかを知りたい方には
面白い本ですよ。

日本で時代劇が衰退したのと同様、欧米の西部劇の魅力もシンクロするように
色あせていったように思います。
かつてあれほど多くの西部劇が作られ、人気を博したというのに…。
いまさらドグ・ホリディやワイアットアープ、デビー・クロケットでもないかな~。
「なぜ西部劇は滅びるのか」どなたかお書きにならないかしら?


そんな中、今「柘榴坂の仇討」と「蜩の記」2本の時代劇が公開中です。
先日「柘榴坂…」は見てきました。
出演者は中井貴一、阿部寛に広末涼子。
果たして、本作筆者である春日氏の評価は如何に?
「蜩の記」も近々鑑賞予定です。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
時代物好きですよ~ (みっち)
2014-10-09 07:40:50
てなもんや となると どうやら同じ世代かしら?
私も一時 時代劇から遠ざかりました。
でも、最近は時代物にまた帰ってきました。
特に下町人情物など大好きです
私の場合は主に本が主流ですがね。

映画の方は
邦画から洋画にそしてまた邦画に

柘榴坂 藤竜也の奥方の短いセリフに作者の言わんとする事が全て表れていたなぁと
いい映画は脇役がいい

日本映画が一時廃れたのは あまりにアイドルを重要しすぎたからじゃないでしょうか?
年輪の重さ渋さが 生きてこない映画は軽いです
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Unknown (みっちさんへ(ryoko))
2014-10-15 10:15:45
みっちさんは私の姉と同世代かと。

今から思うと、子供の頃は驚くほど時代劇を見ていましたね。いつのほどにか遠ざかり…ほとんど見なくなってしまいました。
阿部寛が出ているので「柘榴坂…」は久しぶりの時代劇鑑賞となりました。

藤竜也扮する役どころの奥方の短いセリフ・・・女性目線の台詞でしたね。時代劇では男性目線で描かれることが多いですからね。
この本でも、いい脇役がいないと嘆いておられました。
そうですね、観客動員を増やし興行成績を上げるためにアイドルを配し、時代劇で必要な所作などがなっていない。若手が育っていないし、育てる時間も人材もない。現代劇のような自然な演技でいいんじゃないかという流れまであると、時代劇の未来は暗いとのことでした。
若手だけじゃなくて、いるだけで華がある、渋い役者さんが減りましたね。
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