なんとも刺激的なタイトルの本です。
でも私にとっては、「納得」のタイトルと内容の新書です。
PHP新書680円です。活字が大きく、短い時間で読みました。
脳を科学する最先端の科学者が、音楽を語ります。
右脳と左脳の激突かと思いきや、音楽の感動を説くのです。
NHKの番組「プロフェッショナル」の司会進行役の著書です。
CDやレコードでなく、生演奏を聴くことを勧めています。
その場に居合わせない限り、開かれない感動の「扉」の存在を語るのです。
演奏会の「空気」を説明することは難しいのですが、アマチュアでもプロでも
「のった時」の演奏は、しばし言葉が出ないくらいの感動です。
逆に、手を抜く,もしくは体調の悪いときの演奏を聴かされる人は災難です。
浜松時代、「コンサートを主催する」セミナーに一年間通い勉強しました。
そのときのセミナー仲間にピアノの調律師がいました。
ヨーロッパと日本で活躍するその人の言葉が印象的です。
集中しない演奏家、手を抜く演奏家に「お客に失礼だ」と厳しく言うのだそうです。
懸命に調律しても、演奏家がそれを十二分に活用しないとき指摘するのです。
ある年齢とキャリアが無いと言えません。プロの演奏家に対してですから。
演奏者と調律師は対等なのだと初めて知りました。
このような緊張感と集中力のある生の演奏を聴くことは最高の幸せです。
昨日のテレビの「題名のない音楽会」は、「音楽センター試験」と銘打たれています。
この趣向は、好評だそうです。
専門家に、音楽のテストをするものです。
出題者の編曲の前田憲男や芸大の青島広志などは個性派のため楽しめます。
曲名・作曲者の早当てクイズ、楽器当てなど盛りだくさんです。
知識の豊富さや耳の良さを競うのですが、音楽を知識で理解することに疑問です。
視聴者の関心に「媚びている」のではないかと勘ぐります。
日本でのクラシックファンを「象徴」している番組かもしれません。
知識として「知っていること」に価値を見出しているのです。
私もかつてそうでした。
クラシック以外の音楽に関心が低く、マニアックになりつつあったからです。
しかし 娘の影響で吹奏楽に興味を覚え、歌謡曲にも面白さを感じ始めました。
今は、クラシックからポップス、美空ひばりまで何でも聴きます。
私の「第二の人生」は、まさに音楽から始まるのです。
NPO「音楽村」(合宿所兼ミニコンサート会場)実現を目指します。
画像 「すべては音楽から生まれる」新書の表紙
昨日の「題名のない演奏会」の一場面から