1974年頃、当時有名なSPが有りました。AR社AR3a。アコースティックサスペンション方式と云う「密閉型エンクロージャー」で低域を再生する方式。後のYAMAHA#1000M等のブックシェルフSPに多大な影響を与えたSPです。クラシックのカラヤンやJAZZのマイルス・デイビスが使っていると云う事で非常に気になるSPでした。当該品は2007年にエッジの破れた中古で購入しました。エッジを張り替えて使えるようにしました。
AR3aは初期型が音が良いとの事を覚えていましたので初期型を選択。どんなサウンドが出てくるかと期待して試聴に臨みましたが、長く眠っていたSPらしく直ぐには目覚めてくれませんでした。鳴らし始めは「こもった様なサウンド」で良い印象を持ちませんでした。3ヶ月近く鳴らし込みましたが良くなる気配も見せず、とうとうこちらが根負けしました。
有る方のお話では、古いAR3aのネットワークやアッテネーターをオーバーホールしたら「見違えるような美音になった」と伺いました。
もう少し頑張って鳴らしこめばよかったのかな?と後悔の念も有りますが、「密閉型SP」の音の出方に共通の部分を感じ、そのまま手放してしまいました。当時はメインシステム3セットの発展途上な時期でもあり、メインシステムが有れば他には要らないかも?と云う思いが強かった事も有ります。今なら時間をかけて鳴らし込める心の余裕が有りますね。
このSPのみ「内部配線」を交換していませんでした。まったくのオリジナル状態での感想です。
ARについては鳴らし込む前に手放してしまったのでチョッとおしい気もしています。あの頃は小型SPの出し入れが多くて、常時5セット位は有りました。
クラシック好きなのでボザークのムーリッシュに一時思いを寄せていた事が有ります。今でもあの家具調の箱には目を引かれます。サウンドも奥行き方向の再現に優れ、狭い部屋でオーケストラを聴いたら・・・等と思っています。