私の持つ6セットのシステムで管球プリアンプを2セット使っています。612AシステムのWE310AラインプリとBC‐Ⅱシステムの12AU7ラインプリの2台。他の4つのシステムではTr型プリを使っています。どちらにも良い所が有り、その良い所が反面悪い処でも有ります。
この7年間に色々と試して来た中で、「SPユニット」と「アンプ」の進化・進歩についてははなはだ疑問を持つようになっています。本当にSPやアンプは進歩しているのか?
50年前のマランツ#7の世界を越す様なTr型アンプはかつて聴いた事がない。デバイスの問題とも絡むので、Tr型(半導体)アンプでマランツ#7の世界を凌駕する様な質感は無理ではないかと思う。特性的にはTr型のアンプの方が良さそうに見えるが、それは現在計れる項目について云える事で、計れない項目についてはドンドン退化している様にも感じる。
SPユニットについても、1950年代辺りのユニットが最高の出来で、1973年以降のユニット辺りから、測定器の進化と共に逆にサウンドは退化して来ている様に思える。退化したユニットで組んだ現代の最高級システムに魅力を感じないのは必然の理か?とも思う。
話を戻して、「プリアンプ」をどうしようかと迷っている。WE101Dプリアンプを作ろうと昨年からパーツ集めをしているが、なかなか良いケースが手に入らない。デザインを有る程度決めているのでそのデザインに出来るケースがなかなかないのです。手軽に中古のプリアンプを買って来て、もう少しノウハウを貯める事も必要かな?
Tr型のプリアンプにも良い所が沢山有って魅力的なのだけれども、私の好みは「管球式」の方に有る様だ。一般に管球式の弱点と云われている「SN比」については、パワーアンプでTr型に負けないSN比を出せる事を実証している。後は「熱」の問題。これも最近のTr型のA級アンプと比較すれば、ほぼ互角の状態とも思う。電気の消費量は圧倒的に管球式の方が低いレベルで抑えられる。
今年の「音質アップ」のキーワードはプリアンプだと思っています。