オリンパスもSP-707Jシステムもアンプは、プリ・パワー共に管球アンプを使っていますが、2つのシステムでは大きくサウンドが違います。同じ管球式でも自宅のSP-707Jシステムの方が自分の好みです。(多分多くの方は逆の選択をされると思います)
半導体素子(Tr等)のアンプと管球アンプでは「デジタル」と「アナログ」の違いくらいの質感の差が有ります。この頃は半導体素子を使ったアンプを敬遠するようになっています。
管球式でも前段管やパワー管、整流管で音質は大きく違ってきます。自宅(SP-707J)のWE101Dppアンプの出力は1.4Wに対し、オリンパス様の3B252Bシングルアンプは8Wくらいは出ていると思います。たったこれだけの出力差とウーハーの能率の違いで、音の飛び方が全く違います。
WE101Dppアンプも3B252Bシングルアンプもメーカー製では手に入らないアンプです。量産できるだけの球を確保できないからです。どちらも真空管を手作りに近い状態で作られていた時期の球だと思います。どちらも長寿命です。
古いオーディオの通の方達が40年ほど前に「WEの球のアンプは良い」と言われていたのを覚えています。実際にWE101Dppアンプの音は、独特のきめの細かさと艶やかさを持っています。それでいて低域のドライブ力も有り、高域の透明感もレンジにも不満は有りません。もちろん中域の音の厚みは絶品だと思います。
自宅のSP-707JシステムとWE101Dppアンプの組み合わせが個人的には凄く気に入っています。殆ど威圧感の無い音で、チョッと聴きには「迫力不足」に思われるかもしれませんが、「音楽」を長く聴いていられるシステムです。JBL#375を使っているのに嫌な音が殆ど出ません。ピーキーな音が有りません。非常にに柔らかいサウンドで有りながら音にキレや余韻の美しさが有ります。一般のお店では聴けない「自作アンプ」の世界です。
CDを鳴らしているのに、アナログのサウンドと間違ってしまうくらいアナログなサウンドです。
いいですね!!
10年ほど前に、デジタルでアナログを超えてやろうと、大それた目標を立てアナログを封印してきました。
必然的に、管球アンプに行きついたと思います。
今日は、中高域を受け持たしている300Bシングルアンプの電源を入れた途端に5U4G整流管(RCA)がスパークを発してお亡くなりになりました。
差し替えてみて、音質がかなり向上しましたので気付かないうちにヘタリが進行していたようです。
おかげで、ドライバーのクロスも500Hzで充分聴けるようになりました。
アナログらしい音と言えば、当地房総半島の南端、館山のコンコルドの店主佐久間さんのアンプとアルテックA7の音を思い出します。
風のように通り過ぎていく音で、アナログとCDの音に差がありません。
たった1曲の歌謡曲を再生するためだけに、10年の歳月をかけてアンプが作られています。
オリジナル管球アンプの世界を知るとTr型アンプには戻れなくなります。
低域だけはTr型の方が有利と思いますが、中高域は管球の方がしっくり来ます。
半導体素子と真空管では「電気の流れ方」(電子の飛び方)が違いますので、それがそのまま音の違いとして出て来る様だと感じます。
拘りを持つとお金と時間がかかりますね。
既に20台程以上購入して手を加えています。完成は「管球アンプのゴッドハンド」の方に最終確認をお願いして助けていただいています。
私個人は電気の技術者では有りませんので、斬新な発想が出来ます。管球アンプを知り尽くした方がいるので安心して触れますね。