そのシステムで出ている「音」や「表現力」は、システム全体の総合力で有る。一般の方には理解できない部分が有る。「音」や「表現力」(音質)はどの様に決まるのか?
1)機器の性能(アンプ・SPユニット他)及び組み合わせ技術
2)使っているケーブル類のグレード
3)SPのセッティング技術
4)機器内のパーツ類(ヒューズ・RCAソケット・RCAプラグ・SP端子他)
5)部屋の広さや強度・材質
6)その他(アセンブリー技術・オーナーのスキル等)
だろうと思う。
1)については、例として38㎝クラスのウーハーと20㎝クラスのフルレンジでは、「空気を振動させる面積」が大きく違う。2インチスロートと1インチスロートのコンプレッションドライバーでは、エネルギー感が全く異なる等。
2)については、すべてのケーブルと接続ソケットとプラグの材質を揃えて初めて比較が出来る。1)と2)が絡み合っているが、システムで使っている全ての機器が「グランドライン」で繋がっている・・・事を理解する事が大切。一般の方では理解不能な事だろう。アンプ内配線では一番弱い部分がその音を決めている。たった1本の配線材の質が悪いと、その配線材の音がシステム全体の音として出て来る。
3)スピーカーをセッティングするには「自然の原理」に合わせる事。不自然な(自然の原理に反した)セッティングの場合、余計な癖が出て来る。
4)機器の中には「電気の伝送」と云う観点で疑問を持つ様なパーツが使われている。「音」は非常に微妙な感性が必要になる。単純に電気が流れれば良いと云うものではない。
5)部屋の影響は特に振動板の面積の小さいシステムが受けやすい。20cmウーハーやフルレンジユニットを使ったシステムは、「部屋内の反響音」を利用して音作りして有る。その様なシステムを100畳の部屋で鳴らしたら、寂しい音になる。大型システムでも部屋の広さでサウンドは変わる。振動板の面積やエネルギー量で鳴らせる適量が有る。また、出来るだけデッドな部屋で鳴らした方が、そのシステムの素の音を聴くことが出来る。反響音はうまく利用した方が良いが、ユニットの素の音を磨いていった方が近道である。
6)最後はリスナーの好みとスキルで決まって来る。システム全体のバランスと種種のスキルの統合で総合力が出て来る。