仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

大悲は乳母のごとし

2009年07月04日 | 浄土真宗とは?
昨日は法話会。さすがM布教使、私とはレベルが2段階違うことを実感したことです。その法話の中で、感情的涙でも、悔し涙や怒りの涙は、交感神経が働いてナトリウムを多く含んだ塩辛い涙となり、嬉しい時や悲しい時に流す涙は、副交感神経が働き、カリウムと水分が多くなり薄味になる。とあった。

“ホォー 、涙って同じ成分じゃないんだ”という感想。人間の感情はさまざまな化学物質によって全身に伝達されるのだから、それもそうです。


人は梅干やレモンを思い浮かべると、口の中が酸っぱくなる。それは人が考えたり思うことによって脳内に「化学物質」が生成される。喜び、怒り、悲しみなど、単なる感情ではなく、そこには必ず化学物質がからんでいます。

ではなぜ悔し涙や怒りの涙は、塩辛い涙となるのか。きっとそこにはそうあった方がよい機能があるに違いない。

母乳は赤ちゃんのためのオーダーメイドだそうだ。

初乳は、赤ちゃんを病気から守る免疫物質がたくさん含まれていて、2週目以降のおっぱいは脳の発達を促すような成分になっています。一回の授乳中にも味は変化していて、出始めは脂肪が少なく淡白で食がすすみ、飲んでいるうちに、脂肪が増え満足しておっぱいをおえます。また早産をしたお母さんのおっぱいは、普通より脂肪濃度が高く、たんぱく質やナトリウムの量も多くなり、未熟に生まれた赤ちゃんの成長を助けるために、母乳の成分が自然に調整されるとある。

また初乳には分泌型免疫グロブリンAという免疫物質が豊富に含まれ、赤ちゃんの胃や腸の粘膜に広がって、粘膜の表面を膜で覆ったような状態にして、細菌やウィルス、アレルギーの原因物質の侵入を防ぐともある。

そういえば親鸞聖人は「大悲はこれ乳母のごとし」(顕浄土真実教行証文類・行巻)と阿弥陀如来のお慈悲を母の乳にたとえておられる。

先哲は「乳の三徳」と教えてくれている。
寒厚同味の徳(寒い日も暑い日も、母がどんな冷たいものを飲んでも、母乳は最良の温度と味である)

転苦成甘の徳(母がどんな辛いものや苦いものを食べても、母乳は甘い父となって赤子に与えられる)

時処不嫌の徳(いつでもどこでも、赤子のほしい時に与えられる)

親鸞聖人も母乳の上に阿弥陀仏の大悲の特性を味わったことを思うと、時を超えて聖人が身近に感じられる。
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2 コメント

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Unknown (TEN)
2017-10-26 14:04:36
はじめまして。
私は大悲を頂いて、ご本願喜んでいる者です。
こちらのブログ「大悲は乳母のごとし」を読ませて頂いて感動しました。
大悲の御徳を分かりやすく表現されていると思いました。
私のブログにて、この「乳の三徳」を紹介したいのですが、よろしいでしょうか?
あとこの「乳の三徳」は有名なお話しなのでしょうか?誰が教えたことなのか、など、ブログにお書きになられていること以外でもございましたら、ご教授頂けるとありがたいです。
突然のコメント、失礼しました。
http://midanoganshin.blog.fc2.com/
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Unknown (TEN)
2017-11-03 16:30:08
当ブログにて、こちらの記事を参考にさせて頂きました。もし私が書いた内容等で問題がございましたら、ご連絡ください。よろしくお願い申し上げます。http://midanoganshin.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
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