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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

ニッポンの数字 ――「危機」と「希望」を考える①

2024年05月16日 | 日記
『ニッポンの数字 ――「危機」と「希望」を考える』(ちくまプリマー新書・2024/2/88・眞淳平著)、面白い本を考えたものです。数字をあつめた本です。読む側も、どの数字に興味があるかによって、自分を知ることも出来ます。

以下本から転載です。


若くなってきた近年の高齢者
 ただしそこには、「希望」もあります。健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間、とされる「健康寿命」、が急速に延びているのです。
 たとえば、01年⇒19年の18年間に、男性が69・4歳⇒72・7歳と約3・3歳。女性は72・7歳⇒75・4歳と約2・7歳、延びています。日本人(他の多くの国でも同様ですが)は、若く健康になりつつあるのです。
 ここで、漫画『サザエさん』の父親・磯野波平さんにご登場いただきます。年齢はいくつだと思いますか。答えは54歳。今の54歳は、もっと若いですよね。
健康寿命の延びは、今後も続くでしょう。結果、現在、高齢者とされている人々が、将来的に、より元気になり、より多く労働市場に留まり続けるようになりそうです。
 実際、22年には、65歳以上の高齢者の「就業者数」が912万人となり、04年以降、19年連続で増えています。60歳以上の「就業率」も並行して、増加し続けています。21年の数字で、60~64歳72%(11年のI・3倍)、65~69歳50%(同1・4倍)、70~74歳33%(1・4倍)、となっているのです。
 結果、22年の就業者全体に占める、高齢者の割合は13.6%。7人に1人弱。
 企業の側も、高齢の人たちを、積極的に雇用する傾向が見られます。厚労省が実施した、従業員21人以上の企業を対象にしたサンプケ調査によると、22年6月時点で、66歳以上まで働ける制度のある企業は、全体の41%。70歳以上までは39%。定年制を廃止した企業は4%でした。これらの割合は、増加傾向にあります。 

74歳が「高齢者」ではなくなる日
 こうした傾向を見て、「高齢者の定義」を変えるべきだ、とする意見も出ています。
 日本老年学会・日本老年医学会は17年、高齢者の定義を、現在の「65歳以上」から、「75歳以上」に引き上げるよう、提言しました。そして、65~74歳を「準高齡者」、75~89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と呼ぶよう、説いたのです。
 また、21年4月から施行された「改正高年齢費雇用安定法」により、「70歳までの就業確保措置」が、全業の「努力義務」(そうすべき、の意。義務ではない)ことなりました。
(つづく)
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