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寺院の減少

2024年06月12日 | 都市開教
『中外日報』(2024.6.7日号)に駒澤大学研究教員の梶龍輔氏が「寺院統廃合の体と特徴」と題して論文を掲載されていました。本派の部分だけ引用しておきます。

収集期間は1983年から2022年までの40年間とした。こうして集めた寺院情報に住所、住職名、過疎地域指定の有無、寺院区分(本務・兼務)など、分析に用いるデータを可能な限り加えて「寺院統廃合データ」を作成した。以下、このデータに基づいて全国的な実態と特徴を大まかに述べてみたい。
 加速する寺院の統廃合
40年間で統廃合の手続きを行って消滅した寺院の数は本願寺派428力寺、曹洞宗204力寺、日蓮宗71力寺を数え、合計703力寺であった。1980年代以降、廃寺は一貫して増加傾向を示しているが、とりわけ2013~22年の期間に279力寺、つまり全体の約4割が直近10年間に消滅している。
 次に宗派ごとの廃寺数をみてみよう。本願寺派は1983~87年のあいだに35力寺が廃寺となっているが、年を追うごとに数を増やし続け、2018~22年では85力寺にまで増加している。これに対して曹洞宗は、80年代から90年代には本願寺派と比べて4分の1程度の数で推移していたが、2000年代に入ると顕著な増加をみせはじめ、直近5年間では65力寺と急激に増やしている。他方で日連宗は、今のところ顕著な増減はみられなかった。

文化庁『宗教年鑑』によると、法人格を有する寺院が本願寺派で203力寺(10290力寺⇒10087力寺)、曹洞宗で157力寺(14624力寺⇒14467力寺)減少している。また法務省「登記統計」に示された宗教法人の「解散」件数に注目すると、2009年には188件だったのが徐々に数を増やし続け、2021年には668件、22年も676件と急増している(ただし仏教系以外の宗教法人を含む)。「寺院統廃合データ」と照らし合わせて大まかな情勢を推考すると、2000年前後から統廃合による廃寺が増加し始め、2020年頃を境にその勢いが大きく増して、本格的な寺院減少時代を迎えつつあるのかもしれない。(以上)
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