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民放連の宗教に関する条項

2024年06月10日 | 都市開教
『メディアと宗教』(2024/4/2・石井研士著)からの転載です。

民放連の宗教に関する条項の成立過程

日本放送協会と民問放送連盟の宗教を中心とした番組基準を検討してきたが、記述に関しては明らかに民間放送連盟の方が詳細である。民放連の宗教に関する条頂がどのような経緯で策定されたかを知ることのできる資料は、管見の限り存在しない(この件に関しては、民間放送連にも問い合わせを行ったが、成果は得られなかった)。『民間放送十年史』(民間放送連盟、1961年)には、民放連の基準が官製規制に反対し自主的規制を強く主張して作成された経緯が記されているが、誰がどのような理由によって条文を作成したのか、何か参考とした海外の事例があったのかどうかなどはわからない。
 宗教に関する規制は、昭和26年10月12日制定の日本民開放送連服ラジオ放送基準に見られる(『民間放送十年史』)。

16.宗教を取り扱うときは、信教の自由を尊重し、各宗派の立場を重んじ、公平に取り扱う。
17.宗教的儀式は、不当な取り扱いをしない。
18.特定宗教のための募金は取り扱わない。
19.迷信を肯定的に取り扱わない。

さらに「教養番組」の項目に以下の二つが記載されている。催眠術や心霊術、占いや運勢判断への言及は見られない。

3 宗敦番組では他宗・他派をひぼうしない。
4 信仰・修養などによって傷病がなおるというような迷仁的内容は取り扱わない。ただし、
伝説的なものの引用はこの限りではない。

昭和33年にテレビの放送基準が設けられたが、記述はラジオ番組基準とまったく同じものであった。番組基準は昭和45年1月に改正され、ラジオとテレビの放送基顯には統一された。それ以降現在まで「日本放送連盟放送基準」と表記されている。
 昭和45年の改正の際に、あらたな内容が加わった。「(41)宗教放送では、科学を否定するようなものは取り扱わない」というもので、表現が「宗教を取りあげる際」ではなく「宗教放送」となっている。昭和40年代に放送されていた「宗教放送」は、キリスト教団体の番組が数番組あるだけである。なぜこうした表現がとられたのか、具体的な問題があったのかどうかはわからない。ただ、「宗教放送」という表現を除けば、すでに現行の番組基準と変わらない。宗教に関して現行の表現となったのは平成10年の改正による。
(以上)
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