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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

日本全国ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話③

2024年08月17日 | 日記
『日本全国ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』(滝沢秀一著)からの転載です。

徳島県上勝町は、65歳以上の大が50%以上を占める人口約1500人の町である。このデータだけを客観的に見れば、決して元気があるようには思えない自治体だが、とても活気がある。
 ここの自治体もまた右ページで挙げた問題点を抱えた町たった。予算がない。これは地方の自治体の永遠のテーマである。お金がないので、焼却炉を建てられないから、どこかでお金を工面して焼却炉を建てよう、と考えないで、焼却炉なしでどうやってゴミを処理していこうかということを考え、全国で最も早く「ゼロウェイスト宣言」をした自治体である。
 具体的には、燃やさなければならないゴミを極端に減らし、おむつやゴム、塩化ビニルなど以外は全て資源として考え、13品目45種類のゴミ分別をしている。この分別の数はもちろん日本で一番分別の種類が多い。
 ここ上勝町は、清掃車も走っていない。つまりみんなが目にするような集積所という概念がない。上勝町にあるのはゼローウェイストセンター内のごみステーションのみで、町民は皆ここに資源を持ってくる。町民1500人全ての人が協力してこのリサイクルをしているので、リサイクル率は驚異の81%である。日本全国のリサイクル率が19%なのでそのすごさがおわかりいただけると思う。
そんでね、このリサイクルの数が話題になったので、日本全国はもとより、世界中から視察が来るようになった。人が来るのならば、ホテルを作ろうとなったのだから、これは立派なゴミビジネスなのではないのかなと僕は思う。僕もいつか泊まりに行ってみたい。
 僕は他書ではあるが、ゴミと収入は関連性があるという仮説を立てたことがある。僕はいろいろな場所にゴミを回収に行くが、お金持ちの地域ほどゴミが少ないということを以前から繰り返し言っている。詳しい話はそちらの本を読んでいただきたいが、簡単に言うと、ゴミに配慮している者にお金が集まってくるということは自治体にも言えるんじゃないか説。確かに生活の末端、最後の最後まで考えたくないゴミにここまで配慮しているということは、さまざまなことに気がつくということだと僕は思う。
 ここ上勝町で、ゴミ分別以外に有名なのは葉っぱビジネスである。これは何かというと、上勝町にあっても全く価値はないが高級料亭に行ったら価値が出るものをお金に変えている。それは何かといったら形のよい葉っぱである。葉っぱをお金に変えるってすごくない? たまたまでしよ? いやいや、実は近年、多くの実業家がこの土地に移ってきて、上勝町で事業を展開しようとしている。その事業の数、20種類以上。
 ゴミをなくすとお金が入ってくるかもって言ったら大袈裟かな?‥ いや、僕はそう確信している。
コメント
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