ちょうどタスマニアでのことをまとめているのだけれど、膨大なページになりそうな勢い。覚え書き、なんていったら申し訳ないですが、ちょっとジェラルディンの畑(家庭菜園)のことだけでもまず報告しましょう。実は、小川町での畑作業にも関連することなんです。
今回で都合6回WWOOFer。そうでした、これも説明しておかないと。WWOOFっていうのは、「有機農家に滞在しそこで働く。見返りにそのホストたちは寝るところと食べ物を提供する。労働力と食住の交換の仕組み。と、それをお膳立てしている組織、オーストラリアでは worker willing of organic farmの頭文字。“er”が付いているから、それをする人のこと」です。日本でもアメリカでも同じような組織があります。6回お世話になっていると、いろいろな変化を見つけられましたが、その中で一番大きかったのが、畑。全く様変わりしていました。
以前は害獣(おもにオポッサム)対策の電柵の門を開けると、いきなり草が追い茂ってました。よく見れば、ハーブであったり、レタス、ビーツ、パースニップなどなどの野菜。ヘラオオバコ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウと思われる雑草も、ボリジー、ナスタチウムもそれこそ、混在していました。こちらでいうところの畝といわれるようなものはなかった。種を蒔くときには、ジェラルディンが一画を指して、ここに蒔くとしようと、だいたいの形を指示します。その中ある彼女が残したいものを適当なところに移植。それから掘り起こしてベットのようにして蒔いたのでした。ところが今回みれば、それまでの約半分の所に大きなベット、たしか5mX12mと7mX12mの大きなものが二つ。その上に14本の区画が切られているではありませんか。さらにその二つを覆うように金網が架かっている。これまでの畑が草むらのようだったのに対し、こちらでいうところの家庭菜園をちょっと大きくしたような区割りに鳥害や猿の害を防ぐ覆いが付いたような姿になっていました。前々からもっと作物をコントロールする・計画的に輪作するため変えたかったらしいのですが、これには驚きました。
さらに驚かされたのが、作業をし出してから。食害がずっと多く見受けられるんです。たとえばナメクジとかカタツムリに生長点や双葉が食べられています。モンシロチョウも沢山飛び交っています。それに野ネズミではないかと言ってましたが小動物による害も。どちらも、これまで見られない、ほとんど見なかったことです。春先から長雨や本業の牧畜で忙殺されることが多かったいい、苗を買って定植したのではと思われるのものがあります。どうもそこから出てしまったのではないか。いや、それだけじゃない…。
去年、小川町の畑で葱苗をある区画で作っていました。葱は親の影も嫌うとかで、雑草による日当たりの悪さを解消しなければならないと、あるとき苗床の雑草をきれいにしたんです。で、何が起きたか。その当時まだ土曜か日曜だけしか行くことができませんでした。週を追うごとにネキリにやられ、結局最後に全滅。見事にやられてしまいました。対策を取れなかったのものありますが、手を加えたからやられたのではないかと思っています。
ジェラルディンの畑は、以前鳥たちが自由に飛び回っていました。同じ作物が並んでもいませんでした。つまり、害虫が来るにしても、自然と環境自体で防御体制ができていた。ところが、畑をつくりかえたことで、小さなフィンチ(セグロセキレイを小さくした感じ)類は入ってくるにしても、他の鳥たちは自由に虫を啄めなくなってしまった。野ネズミたちは一端好物を見つければ、隣に並んでいる、食べやすい環境になってしまった。まさか! 畑を整えたから食害が増えたんじゃ…。もし、仮に、そうであれば、間違っていなければ…。いったいどんな畑を作ったらいいんだろう。驚いたというのも事実、混乱したのも事実。簡単なことではありません。だから、面白いんでしょうか? 遣り甲斐があるんでしょうか?
今日の一枚:シドニーに間もなく着くころ、機影がブロッケンになってました。鮮明ではないかもしれませんが。このような太陽の悪戯は庵主にとって吉兆です。