eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

『クラウド化する世界』

2008-11-05 13:17:59 | Internet and mobile
インターネットビジネスの構造が、さらにかわろうとしている。「クラウド・コンピューティング」が注目されています。

ニコラス・G・カー『クラウド化する世界』 翔泳社、2008年10月9日刊、2000円+税

原題に、「クラウド」は入っていない。翻訳書のタイトルにひかれて買った面があるが、内容は期待外れではありません。

最初に発電所の話がでてくる。産業社会にはいって、各地に工場ができたときに、最大のなやみのひとつは、動力でした。蒸気機関から、さらに電力へ。各工場が自前の発電所をもつのはあたりまえでした。画期的な発明をしたのはエジソン。いくつかの工場にまとめて電力を供給する発電と配電をおこない、発電機から電灯などにいたるシステムの各部分の発明もしました。

そのエジソンをこえるビジネスモデルを生み出したのは、エジソンの片腕の男インサルです。

交流電流が発明され、新しいビジネスモデルの可能性をみたインサルは、中央発電所の建設に踏み切ります。エジソンがこだわる直流では、シカゴに数十の発電所が必要です。しかし、発電所は、中央発電所ひとつでいい。

各工場に私設発電所があった段階では、資源の無駄遣いでした。

この著者は、各企業が自前のソフトプエアを持つ状況から、インターネットでソフトを利用する方向への時代の流れを、この発電の歴史で語っています。

eラーニングについてみれば、各社が自前のLMSをもっていた状況は、資源の無駄遣いといえるのでしょう。まちがいなく、イントラネット型のLMSは終息していくといえます。

著者は、米国でどんどん拡大する新しいインターネットビジネスを紹介するとともに、インターネットが、コントロールする側の重大な武器になっていることに懸念も示しています。インターネットが個人の活躍の場を広げるという側面だけで楽観できないことを指摘しています。

ネットビジネスのアメリカでのはげしい展開をみていると、アメリカにしばらく住まなければいけないのではないかと感じるほどです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿