eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

語り継ぐ

2012-10-20 10:59:13 | 読書/新聞/映画など
戊辰戦争で袈裟斬りの刀傷を負った人を風呂場でみかけたことがある。そんな話をむかし聞いた。

その人が、刀傷の人から経験を聞いてわたしに話してくれれば、ほぼ145年前の話の伝聞だ。私がその話を10歳の子どもに話せば、彼が90歳になったとき、225年前の話を2回の伝聞で知っていることになる。古事記の世界をふと思い出す。

そういえば、第二次世界大戦の戦争経験は、どのように人々の中に伝聞としてのこされているのだろうか。

渡嘉敷島であった老人の話を思い出した。山頂から少し降りた山陰に案内してくれたその老人は、ここであった集団自決のほんのわずかの生き残りの1人だという。かれは、まだ5,6歳の子どもだった。いまも、木々の下にたたずむ霊がみえると話してくれた。島の人たちは、戦後、かれ以外のだれもここには来ていない。あまりにつらくて来れないということだった。その大きな岩陰でだれが自決し、ここでは、だれが亡くなったのだとたんたんと話してくれた。かれには、つぎつぎに亡くなっていった人々がいまも見える。生き残った生まれたばかりの赤ちゃんが、いまの教育長だと教えてくれた。話を聞いたのは、10年ほど前だ。

西表島の海岸で声をかけてくれた老人の戦争体験もすさまじかった。少年兵として南方の島に送られ、輸送船は撃沈され、激戦で戦友の大半をうしなった。かれは、残してある軍靴を見せてくれた。


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