eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

出版社とeラーニング

2006-01-11 21:58:43 | eLearning
先日、「出版とeラーニング」について、書きました。

きょうは、「出版社」についてです。

出版社(あるいは、編集者)は、もっとも情報化に立ち遅れているといってまちがいないと思います。もちろん、全般的な状況についてであって、個別には例外もありますが。

ところで、ビジネスの組み立て方という観点から、電子辞書について、考えて見ましょう。

電子辞書は、300億円ほどの市場規模になっています。実際、携帯に便利だし、あんなにたくさんの辞書がはいっているので、役に立ちます。その分、既存の辞書の売れ行きが落ちていることは、十分に想像がつきます。

ところで、電子辞書には、出版社の紙の辞書がそのまま搭載されていることが多い。出版社には、電子辞書メーカーから、わずかな、ほんとうにわずかなロイヤリティが支払われています。

そうです。電子辞書をビジネスとしての収益源にしているのは、電子辞書メーカー側なのです。出版社は、多少ロイヤリティがはいっても、辞書全体の売り上げの減少をカバーできないことになります。

その結果、どんなことが予想されるか?一番恐ろしいのは、出版社が新しい辞書を開発する力を失っていくことでしょう。電子辞書メーカーにそんな力もノウハウもありません。

電子辞書ビジネスは、出版社が主導権をとって、ハードを入手し組み立てるべきだったと思います。

ネットビジネス一般についてもそうです。出版社は、コンテンツを提供するだけの立場になってはいけないと思う。出版社が主導権をとり、ネットを活用したビジネスを組み立てるべきではないでしょうか。コンテンツを提供する側が十分に収益をあげる構造をもっていないと、コンテンツが貧困化します。再生産する力が弱体化していきます。

わたしは、出版社が積極的にネットビジネスに参入し、積極的にeラーニングに参入すべきだと思っています。
もちろん、必要であれば、それをお手伝いいたします。