eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

フェニックス大学に大逆風

2007-02-20 13:10:37 | 学校におけるeラーニング
2007年2月11日のニューヨークタイムズに、フェニックス大学をとりあげた大きな記事がでています。

同大学は、株式会社が経営する世界最大の私学であり、オンライン大学として高い成長と高利潤を誇ってきました。学生は、30万人にもなります。

記事は、パートタイマーのインストラクターの比率が高いこと、学習時間が通学の半分であること、卒業比率が低いことなどを指摘しています。また、政府の補助金が大規模であることも問題とされています。

逆風のなかで、学生による訴訟や、トップの交代もありました。

学習時間が教室の半分ですむことなど指摘されているポイントのいくつかは、ネット教育の特徴でもあり、今後十分な議論がされるなかで、よりよいネット大学のありかたが模索されていくでしょう。

ネット大学は、社会からつよく求められています。

*****追記
この記事は、たいへんよく読まれているので、その後の流れについて、ひとこと追記します。フェニックス大学は、よくあるこのような逆風にまけずに、その後さらにたくましく発展し、より大きな役割をはたしています。

なお、経営母体であるアポロ・グループは、アニュアルレポートで、くわしくデータを公表しております。


株式会社と学校

2007-02-18 23:25:45 | 学校におけるeラーニング
株式会社による学校は、新しい時代にむけたチャレンジです。

株式会社は、産業社会が生み出した仕組みですが、必ずしも、社会全体に浸透しているわけでもありません。農業や医療の分野、あるいは、学校教育の分野などでは、基本的に株式会社は認められてこなかったのです。

営利目的という株式会社を、社会が信用してこなかった面もあるでしょう。

しかしいま、変革の力として株式会社に期待する規制緩和の課題が浮上しています。うまく折り合いをつけることができるのかどうかです。

株式会社は、「出資者の有限責任」と「目的にかかわらず登記によって設立できること」の2点が明確になったとき、もっとも普遍的な経済組織となりました。歴史的には、長く規制をうけていました。

はげしい変化の時代に、もっともはやく変化の先頭に立っているのが企業であり、もっとも変化に立ち遅れているのが、官僚組織や政治、学校教育であると指摘されているときに、株式会社と学校は、どのように切り結ぶことができるのでしょうか。教育の基本組織である学校そのものも問い直されている時代のなかで、新しい何かを生み出す挑戦であるとはいえるでしょう。。

ジョン・ミクルスウエイト、エイドリアン・ウールドリッジ著「株式会社」ランダムハウス講談社、2006年10月11日刊、2000円+税
を読みました。

ジャーナリストの視点であり、やや限界も感じますが、わかりやすく株式会社の歴史をまとめており、現在の株式会社と社会の緊張関係や政治との力学も面白い。

「変革を招くこの会社という組織が、今日、その影響力をますます拡大している」と著者はいう。現代社会の基本的な組織について、いろんな人たちが、国、共同体、政党、教会などと主張してきたが、「世界でもっとも重要な組織は会社だ」という立場で書かれています。

しかし、その会社さえ、この激変する時代に取り残されるのかもしれない。産業社会から、知識社会への転換のなかで、どのような経済組織が登場してくるのでしょうか。産業社会の経済組織がうまく機能するのでしょうか。

試行錯誤の時代です。チャレンジの時代です。









サイバー大学認可

2006-11-28 09:23:16 | 学校におけるeラーニング
インターネットだけですべての講義をおこなうサイバー大学が認可されました。やっと日本でもみとめられました。

ソフトバンクが中心になって2007年4月開校されますが、2008年には、かなりの数のネット大学が登場するかのしれません。米国や中国、韓国などには、すでに多数の大規模なネット大学があります。

すべてネットで教育が行われることと、株式会社大学であることの2点が重要なポイントです。


株式会社による大学

2006-10-09 21:33:37 | 学校におけるeラーニング
10月5日、日経新聞は、トップで、株式会社による大学が教育特区でなくても認められる方向であると報じた。はやければ、来年4月から。

大学は教育機関であるとともに研究機関であり、たえず未来に向けて活動するという意味で、現状に対する批判的な社会的役割も果たしてきた。

株式会社による大学が、真に社会的な役割をはたすことができるためには、そのあり方について、真剣に議論される必要がある。

一方、この時代に変革の原動力となり先頭に立っているのは企業であるともいえる。

株式会社大学は、きわめて魅力的だ。


eラーニングのほうが高い

2006-02-18 08:42:38 | 学校におけるeラーニング
先日、ある人に、アメリカのオンライン大学には、これまでの教室による大学の授業料よりも高いところがあるとうかがった。

そうなって当然だと思っていましたが、実際に、すでにそうなっているということは、印象的でした。

オンライン教育のほうが、内容豊かで教育効果も高いというケースが、今後、どんどん登場してくると思われます。

eラーニングは、高度教育にもむいています。

教育機関とeラーニング

2005-12-09 13:09:24 | 学校におけるeラーニング
学校におけるeラーニングは、企業におけるeラーニングとまったくちがいます。

そもそも、学校は、それ自身が教育機関ですから。

学校は、これまでは、教室での授業を基本とする教育機関でした。

もし、新しい教育方法が登場し、それがきわめて有効なものであれば、教育機関としては、当然、それを採用することになるでしょう。あるいは、それを採用する教育機関がでてくるでしょう。

遠隔教育もそのひとつといえそうです。通信制の大学や高校があります。

個別教育としてのeラーニングも、新しい教育として積極的に採用する教育機関がでてくるのは当然であり、なかには、ネット教育だけの大学や高校もうまれてくることになります。

教室における授業というかたちだけが、学校教育の基本ではありえません。坂本先生がおっしゃるように、eラーニングが基本になり、eラーニングが教室の集合教育を包摂するようになるといえるでしょう。

ネット大学と研究機関

2005-12-03 00:56:43 | 学校におけるeラーニング
大学は、研究機関であり教育機関である。あわせて、大切な社会的な役割をはたしてきた。

では、株式会社大学、ネット大学はどうあるべきか。

その基本理念をしっかり確立しなければならない。

わたしは、ネット大学・株式会社大学もまた、教育機関であると同時に研究機関でなければならないと思っている。

教育の面からみれば、そうでなければ、高度の教育レベルを維持できない。研究の面からみれば、大学が果たしてきた社会的役割は、計り知れない。

学校教育も絶対評価

2005-10-16 00:03:06 | 学校におけるeラーニング
先日、ある自治体の教育委員会部長にお会いしたときに、学校教育でも絶対評価が取り入れられているというお話をうかがいました。

絶対評価には、評価の基準が必要です。

企業の場合は、目標管理と連動している。

学校での絶対評価とは、どのような意味をもっており、どのように機能するのか考えてみたいと思っているところです。

ただ、はっきり言えるのは、絶対評価は、相対評価よりもはるかに多大なエネルギーを必要とするということです。