いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

議員報酬800万円。 a remuneration of an assembly member is 8 milion yen in a year

2016-04-26 20:00:01 | 日記
 (1)世界一貧しい大統領といわれたウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領のことを書いたが、河村名古屋市長は就任時にそれまでは年間1千万円以上だった市長報酬(a remuneration of a mayor)を民間並みに800万円に引き下げることを提唱し、一市長の都合で報酬が左右されてはならないとする議会側の抵抗を受けながら河村市長に限った特別条例で何とか市長報酬800万円を実現させた。

 河村市長は当時の高い市民支持率を背景に議員報酬も市長並みに年間800万円とすることにこだわって、議会側も折れてこれに従ってきた。その後は河村市長自ら率いる地方政党減税日本の議員の資質が問題となって辞職、離党が続き、いまではかっての河村市長への市民支持もかってほどの熱さを見せなくなっている。

 (2)これを受けて反市長勢力が多数を占める議会では人事機関による議員報酬の引き上げ勧告を受けて、800万円から従来の1454万円(報道)に倍増近くまで引き上げる条例を議会多数で可決して施行した。

 この際に議会側は引き上げ額を自ら減額し、さらに議席削減を提案して一定の政治的配慮を見せていた。議会側による提案型政治であった。

 (3)安倍首相が経済界に賃上げを要請して3年連続で賃上げが実施されてきた社会情勢の中で、名古屋市議の報酬を800万円に固定することは合理性を欠き、さらに議会側も報酬UP率を減額し議席削減で財政への一定の配慮を示したことから、やむを得ない事態と判断できるものであった。

 これに対して河村市長は市長報酬、議員報酬800万円は選挙公約だとして、市民の意見も考慮、聞かずに議会だけで引き上げたのは認められないとして、市議会リコールあるいは議員報酬引き上げ条例廃止の直接請求を示唆していた。

 (4)河村市長はこれまでも政策優先の選挙公約の市民税10%減税提案を議会と対立して否決されると、市議会リコールに打って出て市長辞職、市議会リコール解散による再任による市民の高い支持を背景に自らの基本政策を議会に認めさせてきた。

 市民税10%減税、市長報酬800万円の河村市長の政治理念は、市民から税金を徴収する側が楽をして税投資負担をする市民が苦しむことがあってはならないとするもので、市民の理解と支持を受けている。

 (5)一方で議会対策を怠って機会あるごとに議会と対立して行き詰まると市議会リコールに打って出る手法のくり返しは、さすがに市民からも敬遠(keep a mayor at a distance)の目で見られている。

 市民レベル目線の政治理念、政策は市民の高い支持、理解を受けるものだが、議員報酬800万円まで固執するとなると市長による市政、議会の私物化にもつながり、議会側も社会情勢を考慮してさらに自ら減額、議席削減の政治的配慮を示しているのだから、むしろこれを機会に議会側と建設的で良好、良質な関係改善をはかる市長の政治判断があってよかった。

 (6)安倍首相は経済政策優先で国民の関心を呼び込んで大企業中心の業績回復、賃上げで安定した内閣支持率を集めているが、各種経済指標データは悪化して消費者行動にも結びつかずに国民生活観は向上しているとはいえない。

 政治、政策責任として国民、市民生活への貢献を量る指標データを設定して、首相、市長、議員報酬と連動させる理論的、合理的な責任報酬の評価方式を考え出せないものか。

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