いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北海道新幹線のベクトル。 vector of hokkaido new main line

2016-04-05 19:47:44 | 日記
 (1)北海道新幹線(hokkaido new main line)が3月26日に開業を迎えて話題を集めた。あのJR北海道が順調に運営、運用できるのかの不安、思いもあったように思う。
 印象的だったのは、その1番出発新幹線チケットを購入した若者は鹿児島中央駅までの乗車券を見せて、このまま新幹線を乗り継いで鹿児島まで新幹線踏破するはじめての九州上陸の利用者になると楽しげに語っていたことだ。

 青森から津軽海峡を渡って函館まで新幹線が延長されたが、若者の目指す先きは青森から鹿児島へと向かっていた。

 (2)東京一極集中、地方過疎化が経済、社会、文化の硬直化、発展性を阻害する元凶として問題化している中で、青森から函館間の新幹線開通ではその意味、意義を見つけることが前出の若者のような北海道から東京以西を目指す手段としか映らないとしたら、目的も意義も薄れてしまうものだ。

 構想から40数年もの長期間を経ての北海道新幹線が函館止まりで、今後20数年かけてようやくそれでも札幌まで延長されるという計画なので、時間、距離のあまりのスピード感の遅さには首を傾げるばかりだ。

 (3)JR北海道によると話題の初日はそれでも61%の乗車率だったがその後は20~30%台の低い乗車率で、当初損益見込みは数十億円の赤字をすでに見込んでいるといわれている。

 構想から40数年の函館止まりで(函館市内まではさらにローカル線を乗り継いでいくロケーション)、さらにこれから20数年かけての札幌延長ではとても北海道の利便性、地域活性化、流通性を考えた成長戦略(growing strategy)の不足はあきらかだ。

 (4)せめて40数年と20数年分を融合してもう少し時間をかけても一気に札幌、旭川、網走あたりまで延長して北海道を横断する新幹線網とすべきであったろう。
 それなら北海道から東京以西を目指す方向性よりは青森、盛岡、仙台あたりから北海道を目指す方向性、ベクトル(vector)に向けられた可能性はより高かったのではないのか。

 数十億円の当初損益赤字を見込んでの青森、函館間の北海道新幹線開通の意味、意義はわからないものだ。

 (5)東京以西から見れば北海道を目指す手段としては価格高騰(60%増)はあっても費用対効果から航空便利用が主力中心となるのは致し方のないところだ。
 北海道新幹線ベクトルを北海道に向けさせるには函館、札幌、旭川、網走の横断新幹線網が必要で一体構想論が必要だった。

 また北海道の行政中枢を札幌から函館にも分散移転して、青森以西との地方行政の近さ連携強化をはかることも大事だ。

 (6)札幌も新千歳と市内間に距離があり新千歳空港内に北海道行政の機関を設けて仕事として航空便で訪れて、新千歳空港内で行政業務を終えてそのまま帰途に着く日帰り業務で迅速性、利便性、効果性を考えるべきだと書いたが、せめて新幹線新函館に札幌行政機関を分散移転させる行政サービスを整備、考えることで意味、意義とすべきだ。

 まずはJR北海道は新幹線の安全で安心、正確な運営、運用の実績を積み重ねることが肝要だ。そうして目指す新幹線ベクトルを北海道に向けさせる工夫、構想、創造の付加価値観が求められる。地方再生が期待されている。

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