いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

地震被害と原発。 seismic damage and an atomic power plant

2016-04-19 19:42:22 | 日記
 (1)熊本地震の影響被害(seismic damage)がおさまらないなかで、再稼働したばかりの九電川内原発運転をどうするのかの論議が起きている。
 文化人からは事故が起きてからでは遅いと即時停止を求める声明だ出され、民進党は運転停止を正式決定(報道)して政府に申し入れることになった。地元鹿児島市民団体からも即時停止の申し入れ(同)が九電と鹿児島県にあった。

 一度原発事故が起きれば取り返すことなど至難のことは、福島第一原発事故での教訓として現在進行形のことだからだ。

 (2)これに対して川内原発審査合格を出した原規委は「現状では停止させない」(報道)方針を決めた。「(審査では)今回より大きい地震を想定して、今は安全性は問題ない」(報道要約)として、原規委田中委員長は「『科学的根拠』(『』は本ブログ注)がなければ国民や政治家が止めてほしいと言ってもそうするつもりはない」(報道)と断言している。

 原規委が国内の原発の再稼働を審査することになった際には、原発再稼働を実際に認めるのは政府か原規委かでサヤ当てがあって、原規委は安全性の審査合格の判断はするが実際に再稼働させるのは政府の責任だと言っていた。今でもその責任の所在はあいまいのままだ。

 (3)今回の原規委の「停止させない」、「国民や政治家が止めてほしいと言ってもそうするつもりはない」強い決断発言は一体どの認識から出てきたものなのか、これまでの原規委の立場を示す認識からはまったくわからない。

 原規委の言う立場からの見解もわからなければ、国民の声や政治家をまるで無視(科学的根拠がなければと言ってはいるが)するかのような強権性発言は尋常ではない。

 (4)彼らが世界的に類のない厳しい新規制基準に基づく審査による合格だと強調したいがための「科学的根拠」に基づく原発停止を求めるものだが、ことは隣県熊本での前代未聞の震源地を移動しての大地震発生であり、仮に「科学的根拠」が示せる能力があったとしても、時間的、危機的状況にそんな余裕はなくてこんな時に持ちだす「科学的根拠(scientific foundation)」停止説などではない。

 (5)逆にいえば現在国内で唯一再稼働をしている川内原発が、この期に及んでも再稼働を続けなければならない理由が原規委の安全審査の実証(自己満足)以外にあるのかまるで理解できない。

 日本の電力事情は川内原発以外に国内原発が再稼働していなくても、電力各社から今夏の電力供給は安定していると発表があったばかりだ。たしかに熊本地震被災地では電気が止まったままで不自由は強いられているが、電力不足からではなく送電網が損壊しているためだ。

 (6)仮に非常事態を「想定」して熊本地震の異常な推移を見ながら川内原発を一時停止する賢明な判断配慮があって当然だ。それが国民、一部政治家の心配、声だからだ。

 原規委が安全審査合格を出した福井県高浜原発は、福島第一原発事故の原因究明がまったく進んでいないことの政府の対応に懸念も指摘して、原規委の安全審査も完全ではないとして福井地裁により高浜原発停止の仮処分判決が示されている。
 原規委はどう受け止めているのか。

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