いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

野党共闘不発。 misfire of fighting together by opposition parties

2016-04-25 19:51:27 | 日記
 (1)今夏の参院選1人区の行方を占うといわれた北海道5区補選は、自民党前議員(前衆院議長)の娘婿の後継者が大接戦を制して勝利した。菅官房長官は安倍政権の経済政策が支持されたと安ど、強調してみせた。

 政党支持率を見れば野党が数合わせで寄ってたかってみたところで自民党1強にも及ばない中で、自民党前議員の身内後継候補者135842票に野党共闘候補者123517票(報道)と大接戦に持ち込んだのは野党としては大健闘と見るのか、それでも勝てなかったことがやはり力不足と見るのかは重要だ。

 (2)自民党1強時代の選挙で野党は数(票)合わせ(number〔vote〕together)の共闘(fighting together)で対抗したが、わずかに及ばなかった。政党支持率では野党すべてを合わせても自民党1強に及ばない中で、野党のこれまでの同選挙区での獲得票を数え合わせての選挙共闘数式では闘えないということだった。

 自民党前議員(前衆院議長)の身内後継者とかって主婦としての様々な苦労経験による野党候補では知名度、組織力に差があり、やはり野党共闘のかつがれ候補の政治力不足が大接戦を勝ち切れなかった。

 (3)米国大統領予備選で共和党トランプ候補が過激発言ながら予想をくつがえしてトップを走るダイナミズム(dynamism)が既成政治(議員)に対する不満層の支持を集めていることとみられているように、都市部の支持政党なし層の多い選挙区では前議員の身内後継者というのは世襲制を嫌う傾向がある中で逆に不利に働く要素でもある。

 北海道選挙区では自民党前議員の病死ということもあってか大接戦になりながらも身内後継者候補がわずかに勝利した。

 (4)近年は地方を中心に政治家、議員を志すものが不足して、首長選挙などでは無投票当選も多く目につくようになってきた。政治家、議員の報酬不足を理由に政治を志すものが少なくなってきたといわれて、政治の世界も理念、信条、政策によって市民、国民のために働くというよりは自らの生活第一主義が優先されるという今日的社会背景が見られる。

 一概に言えないが、今回の野党共闘候補者は報道されるところによればそれまでの選挙戦では過去の主婦としての家庭生活の苦労経験を語ってこなかったものを今回補選では前面に出しての選挙戦であったようだが、野党共闘が数(票)合わせ選挙のうえに安保法制反対、立憲政治擁立での結集ということを考えれば野党候補者とのミスマッチ観はあった。

 (5)安保法制反対、立憲政治擁立により安倍政治と対峙する理念的候補者選びを考えれば、また違った様相にもなった可能性は考えられる。今回の北海道5区補選は自民系与党候補者と野党共闘候補者の知名度、政治経験に差異がありながら大接戦となったことで、野党としては野党共闘に一定の評価を与えれるのではないのか。

 ただし、数(票)合わせ数式の野党共闘では限界があることもわかった。共産党が候補者調整をして野党候補者を一本化しての基本的な政治理念、政策の違う野党共闘方式では反安倍政治への国民支持、ダイナミズムにはならない。09年民主党政権の自己破たん、国民の期待を裏切った教訓が生かされていない。

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